第3話 胸の好みを言うのじゃ!

 放課後。校門前で美穂野先輩が来るのを俺は待っている。

 下駄箱まで陸斗と美穂野先輩との対決の話や世間話をしていたが「ちょっと言いすぎたとこあるし俺マネージャーに謝ってくるわ」と言って野球部に向かった。

 何やかんや言って陸斗は優しく良いやつなんだ。俺なんかの親友でもったいないぐらいだ。


「奏ー! 昼休み振りじゃな。元気にしとったか?」


 短い手を精一杯大きく振っている美穂野先輩に俺も小さく振り返した。

 小走りで近づいてきた彼女は、少しだけ息を切らして隣に並んできた。


「美穂野先輩。田舎のばあちゃんみたいな事言いますね」

「なっ、それは妾がBBAだと言いたいのか?」


 ほっぺを大きく膨らませて不機嫌な声で言った。なあ、みんな。可愛いものは怒っていても可愛いんだぜ? びっくりするよな。


「いいえ。言ってませんよ。どちらかと言うと小学校低学年じゃないです?」

「うぅ......まあ、確かに妾には背も無ければ胸もないけどのー」


「そうですね。皆無ですね」


「皆無じゃと⁉︎ そこまで良いおるか。因みに奏は大きいおっぱいと小さいおっぱいどっちの方が好きなのじゃ?」

「真剣な顔でものすごいこと聞くなこの人‼︎」


 人に聞かれていないか周囲を確認した。幸い部活に向かっている人が多いおかげかあまり人がいなかった。それでも数人チラホラと人影が見える。


「良いではないか、別に行って減るもんじゃないんのじゃし」

「こんな、人が大勢い通るような場所で発表できませんよ」

「そんなの関係ないのじゃ。するのじゃ! おっぱいの好みを言うのじゃ!」


 頬を膨らませ、駄々をこねる子どものように先輩はジタバタしながら大声でいってくる。

 なんで、そんなこと聞きたいんだ。この人。


「言いませんよ! なんで、言わなきゃいけないんですか‼」

「むー 仕方ないのー......今回のところは諦めてやるのじゃ」


 なんとか諦めてくれたみたいだ。公共の前で胸の好みの発表って普通に無理ですからね。できる人はよっぽどの変態だと思います。

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陰キャな僕とのじゃロリ先輩の学園恋愛バトル ~ロリ先輩、今回は負けませんよ~ 七草かゆ @mozinohumi

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