第2話 ロリ先輩の宣戦布告受けて立ちますよ

「失礼します。美穂野先輩いらっしゃいますか?」


 お昼休み。3年B組にやってきた俺は緊張しながら聞いた。

 知らない先輩が大勢いる所って何だか怖くないか。

 怖いよな。わかる、今俺も初めて知った。


「ん? 美穂野ちゃんね。ちょっと待ってて」


 明るくそれでいて真面目そうな学級委員長的な人が美穂野先輩を呼びに行ってくれた。優しそうな人だな。あと何とは言わないけどでかいな。CいやDはあるな。


「美穂野ちゃん。男の子の後輩来てるよー。知り合い?」

「男の後輩じゃと? ハッ⁉︎ 奏が来たのか。気弱そうなそれでいて優しそうでよく見るとイケメンじゃったか?」

「んー よくわかんないけど優しそうではあったよー」


 美穂野先輩はててててーと言う擬音語が付きそうな装いでやって来た。

 そうして、俺を見るなり欲しいおもちゃを貰えた子供みたいに嬉しそうに笑っていた。俺はロリコンではないがこれは流石にずるいと思う。対戦が始まっていなかったからいいもののすでに一回ドキッとしてしまった。


「奏じゃ! 奏が来たのじゃー そ、それで、でーと......じゃない。対戦はしてくれるのか?」


 ワクワクしている事が仕草で簡単に伝わってくる。何というか小動物を見るている気分になってくる。かわいいなこの人。ん? 違うぞ? もう一度言う俺はロリコンでは無いぞ。お姉さん。それもぎょにゅーの美人系がすきだぞ。


「いいですよ。先輩。対戦しましょう」


 美穂野の顔がパァアーとたんぽぽが花開くように笑顔になっていく。


「ほ、本当じゃな! 嘘では無いのじゃな!」

「嘘じゃ無いですよ。安心してください」

「じゃ、じゃあ、今日から妾と付きあ......戦ってもらうのじゃぞ!」


 つきあ? つきあってなんだ。まあ、気のせいだろう。変なことは考えないようにしよう。

 それにしても、上目遣いで見つめられると照れるな。あと良い匂いだな。

 変態じゃないぞ?


「じゃあ、今日の放課後どこか行きますか?」

「そ、そうじゃな。とりあえずずずず連絡先を交換しておこうと思うのじゃがど、どうじゃ?」

「いいですよ。その方が報告しやすくなりますしね」


 俺は、ポケットからスマホを取り出して先輩に差し出した。

 これで同年代のフレンドが2人になったな。因みにもう1人は想像の通り陸斗だ。なんで、こんなにフレンドが少ないのかはあの事件が関係してるんだろうけど。


「えへへ、奏と連絡先交換しちゃったのじゃ。えへへへ」

「先輩? 大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫じゃぞ? 別に妾は奏と連絡先を交換できて遠く離れていても話せることが嬉しいからにやけてしまったわけじゃ無いのじゃぞ?」

「うん。そんなに嬉しかったんですね」

「ち、違うのじゃ! 別にう、うれしくなんか.......無いのじゃ!」

「そうですか。じゃあ、また放課後に」

「わかったのじゃ。じゃが、本当に別に嬉しかったわけじゃにのじゃぞ?」


 そうだよなぁ。からかってみただけで別に嬉しく無いよな。ホント。なんで先輩は俺なんかと対戦しようと思ったのだろう。謎だ。

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