第8話 お仕置きの時間だよベイビー


 ある日の放課後、一緒に帰る約束をしたラヴェルとラキシスに謝罪してからトイレで中々うんこで白熱の脱糞バトルを俺自身の括約筋と繰り広げ、死闘の果てにブッチチブチチブリュリュとエクストリーム大便エクスタシーをキメた後で裏門で待たせていたラヴェル達の所に行くと、そこに2人の姿は無かった。

 一瞬、俺のトイレが長すぎたのかなと思ったがラヴェルが俺に断りもなくを置いて帰るというのはまずないからおかしいと首を傾げながら、2人が居たところの周囲に足跡がたくさんあるのに気づいた。近くの道を見るとわずかに車輪の後もある。


 ……攫われた?誰かが馬車に2人を押し込んだのか??!


 目撃者はいないかと周囲を見渡すが、あいにく人の姿がなかった。いや、人の姿がないから今このタイミングをネタったのかもしれないが。……クソッタレー!!は俺ださっきまでクソしてたからな!!


 「ど、どうしたのグレイブ君」


 頭を抱える俺に声をかけてきたのは、バーミアだった。この間荷物運びを手伝ってから、割と良く話すようになったんだよね。


「……バーミア!やべぇよ、ラヴェルとラキシスが攫われたかもしれん」


「さ、さらわれ……?!?!」


 俺の言葉にわたふたと慌てるバーミア。相変わらず顔の堀は深く、陰影が際立つので世紀末救世主漫画の作画のようだがその動きは年相応の少女のもの。


「だめだ、車輪の後もすぐとぎれちまってる。2人を追いかける手段は何かないのか?」


 そう思いながら懐をまさぐると、昼休みに我慢できなくなったラヴェルに搾り取られたときに脱がせた靴下が出て来た。


「ここにラヴェルの靴下がたまたまあるけどこれで追跡が出来れば……だめだ、ぜんぜんわかんねぇ……!!」


「なんで君は懐から女の子の靴下が出てくるんだぁ……??」


 バーミアがジト目でみてくるけれど黙秘で誤魔化す。今はそれどころじゃないんだ!!


「……わかった。それなら、私が力になれるかもしれない」


 何かを考えるそぶりを見せた後、頷きながら言うバーミアの言葉に藁にもすがる思いで叫ぶ。


「マジで!?」


「あ、あぁ。私は身体のツボを突く健康法を得意にしているんだけれど、嗅覚3000倍のツボをつけばにおいでおいかけるかもしれない」


 なんかやっぱりバーミアちゃん世紀末救世主の拳法の世界から来てない?あ、でも女子だわ。


「わかった!!それでいい、やってくれ!!2人は俺が追いかける!!」


 頷く俺に、バーミアが中国拳法のような構えをとってから俺の左脇のあたりを人差し指でついた。人差し指が根元ぐらいまで俺の身体にめりこんでいる。い、痛ェェェェッ!!!


「ん~!?間違ったかな~?」


「冗談になってないんだけどバーミアちゃぁぁぁぁぁん?!」


「う、うそうそ。大丈夫、ほらすぐ鼻が利いてくるはず」


 そんなバーミアの言葉の通りに、クンクンと鼻を鳴らすとなんかもう嗅覚が可視化デモされてるかというぐらいに鮮明に感じるようになってきた。これが嗅覚3000倍の世界!!俺はすかさずラヴェルの靴下に鼻を押し当て…………うわめっちゃラヴェルのにおいすりゅうううううううううううううううう!!ばかになっちゃうううううううううううう!!!いやそんなアホをやってる場合じゃないわ。


「―――よし、これなら匂いで追跡できる!ありがとうバーミア、あとは俺に任せなぁっ!!」


「い、いちおう警邏の人とかには私が声をかけておくよ」


 わぁいバーミア優しい。俺は手を挙げて感謝を伝えると、匂いをたどって走った。うおおおおおおおっ待ってろ2人ともぉぉぉぉぉぉぉっ!!

 多分まぁ間違いなく犯人はあのアホなんでみつけしだいブちのめし確定なんだけどそれはさておき無事でいてくれよ2人ともぉ!!


 そして2人の匂いをおいかけて走り続けた先は、学園から離れた廃屋に匂いが続いていた。その前には馬車もある。ここだな……!!

 罠とか策とか知るかばかたれの精神でドアを蹴り飛ばして突入すると、そこではラキシスを背後に庇うようにしたラヴェルの頬を、バーンが殴りつけている所だった。


「あ゙?!?!?!?!?!?!」


 その光景を見てブヂリ、と頭の中の何かがブチ切れる男が居た。ゲームがゲームならカットイン入ってるわこれ。ガチリ、とスイッチが入った感覚を感じる。


「何してんだお前ゴラアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」


 腹の底から轟く俺の怒りの咆哮に、その場にいたバーンや、恐らくバーンの手下の兵士やラキシスが俺の方を見る。


「バーンお前十万億土が踏みたいらしいなぁ?!!!!」


 叫びながらバーンに向かって吶喊していく。もう我慢でけん!!できんではなくでけん!!そう、今の俺は変形ロボアニメの初代赤組くらいに短気に逸っているのだ!!!ホワァァァァァ!!!

 バーンの周囲にいた3名の兵士が俺に魔法を撃ってくるが、残念。“今の俺”に魔法は通じないのだ。


「ま、魔法が通じな?!―――」


「なんなんだこい――――」


 一番手近にいた兵士2人の顔面を左右の掌でそれぞれに掴んでから、地面に叩き付けた後、2度、3度と繰り返し地面にうちのめすとピクピクと痙攣するあけになった。

 ついでなので2人とも背中と尻がぴったりくっつくように2つにサバ折りの要領で体重をかけて潰す。ボゴボギボギと折れてはいけないものがへし折れる音が鳴ったけど、あとで回復魔法かけるからまぁ問題ないだろう。


「ヒィッ、ば、ばけも―――」


「そのとーり」


 3人目の兵士に跳びかかり首をゴキンと回すと頭が首に対して水平の向きを向いた。こっちも後で回復魔法かけるからヨシッ!!


「な、何でお前がここに―――?!」


 驚いた様子のバーンの無視して、満面の笑顔で声をかける。


「やっはろーバーン君!突然だけどここでどきどきグレイブクイズの時間です!!


BSSを拗らせて誘拐なんてしちゃったバーン君はこの後どうなるでしょうか?


①両手両足をへし折られて芋虫みたいにされてから顔面が原形をとどめなくなるまで俺に殴られる


②他の兵士たちみたいに逆サバ折頸椎骨折をされてから顔面が原形をとどめなくなるまで俺に殴られる


③股間の2つのドラゴンボールを粉砕された後で顔面が減刑をとどめなくなるまで俺に殴られる


はい、答えは④の全部ですよねー!!」


「ま、待て!俺は何も答えてないぞ!?」


「うん、答え聞いてねーもん。おめーの答えねーから!!乱暴目的で女の子攫ったあげくに、グーでなぐって、それも女の子の顔をグーでなぐるようなやつの答えなんて聞くまでもねーから!!それもお前俺の可愛い可愛い従者の顔を殴るとか、お前フルコース確定な?????」


 全身に漲り、総量『4人分』程の魔力を漲らせながら、俺は怯えて竦むバーンにゆっくりと近づいていった。

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転生したので欲望に忠実に生きたら悪役令息扱いされて追放されたけど、追放先でも諦めずハーレムをリトライします。 サドガワイツキ @sadogawa_ituki

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