第2章 忍びとアイドルの世界「アルス」
第24話 ツガイ
「どうしたんですか、料理長?」
白いメイド服に身を包まれた料理人のネネが、覗き込んできた。
「まったく、しばらくずっとそんな感じじゃにゃいですか?この前食材を買い出しに行ってきた時ににゃにかあったんですか?」
「・・・・はぁ・・・」
一点を見つめぼーっとするメイ。
「もしかして、『ツガイ』ににゃりたいとか?」
「!!!!なっ!!なに言ってるのよ!!まだそんなことを考える歳じゃないわよ!!」
「あーら、図星ですか、料理長ぉぉ」
イヒヒヒヒとおぼんで口を押えながらネネが意地悪そうに笑っている。
「こーら、ネネ。いい加減にお仕事しにゃさい」
副料理長のアカネが言った。ネネはメイには友達のような態度をとるが副料理長には絶対逆らえない。
「ちぇ、すみません。今やりまーす。にゃ。」
「あ、そういえばネネ、ローラースケートのオイル切れてたにゃ。」
「にゃ!!!」
バタンと大きな音を立ててネネがずっこける。猫耳のネネの耳が垂れ下がった。
「ったくこれだから。ネネはダメなのよ。しっかりしないと、お姉ちゃんみたいな立派な料理人にゃれないぞ!」
そうアカネはネネの実の姉だ。つやつやした長髪と色白の肌のコントラストが美しい。それにすらっとした長い脚に網タイツがまばゆい。
ふん、と言わんばかりに前に腕を組み、胸を張った時、ミニスカートがはためいた。
「いらっしゃいませーーー☆彡」
入口のハナの明るい声が響く。
バタフライ・エフェクト 五十嵐圭 @kei_igarashi
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