サボリンダー〜無気力の果てに

第6話 進化する脅威

脱出後、千鶴と颯は無人の倉庫に身を隠しながらUSBドライブの内容を深堀りし、サボリンダーに関する衝撃的な真実に直面していた。病原体が自我を持つようになったこと、そしてその進化が計画外であったことが明らかになる。二人はこの情報をもとに、次なる行動計画を練ることに。

「これは…一体どういうことだ？」千鶴がつぶやく。

「計画が失敗し、彼らは病原体をコントロールできなくなった。それが今のこの状況を引き起こしているんだ。」颯が冷静に分析する。

「でも、なぜわざわざこの情報を私たちに…？」千鶴が疑問を投げかけると、颯は深く考え込んだ後、口を開いた。

「誰かが、この状況を正すために私たちに協力を求めているのかもしれない。」

その夜、二人は調査本部に戻り、USBドライブの内容を上層部に報告する。しかし、その情報の重大性にもかかわらず、上層部の反応は鈍い。

「これは国家レベルでの問題だ。我々にできることは限られている。」上司が言う。

千鶴と颯は、公式な支援を期待することができないことを悟り、二人だけで問題を解決する決意を固める。そして、サボリンダーのさらなる拡散を阻止し、病原体の真の目的を解明するための独自の調査を開始する。

その過程で、彼らはサボリンダーが人々の精神に直接作用することによって、人間を意のままに操る能力を持っていることを発見する。この発見は、サボリンダーの危険性を一層増大させ、人類にとっての脅威が想像以上に深刻であることを示していた。

千鶴と颯は、サボリンダーに立ち向かうための策を練りながら、彼らに協力を申し出た謎の人物の正体を探る。その過程で、彼らは病原体の制作に関わった科学者の一人と接触する機会を得る。

科学者は、サボリンダーの制作に携わったことを後悔しており、病原体の進化を止める方法を二人に教える。しかし、その方法は極めて危険で、成功の保証はなかった。

千鶴と颯は、人類を救うためにはあらゆるリスクを負う覚悟を決める。彼らの前には、サボリンダーを止めるための最後のチャンスが待っていた。それは、同時に彼ら自身の運命をも左右する重大な選択となる。