第3話 不思議な連携

朝の光が研究所に差し込む中、千鶴は一夜中の研究で得た情報を整理していた。彼女の心は、新たに発見した病原体の謎に完全に取り憑かれていた。その時、研究所の扉が静かに開き、上司が入ってきた。彼の手には特命が書かれた公式の書類が握られていた。


「千鶴、これは君にとっても、私たちにとっても大きなチャンスだ。政府からの特別プロジェクトだ。」


書類を読んだ千鶴の目が輝いた。政府がこの未知の病に関心を持ち、調査チームの一員として彼女を指名したのだ。


同じ頃、颯もまた上層部から特命を受けていた。彼の任務は、この謎の疫病の捜査を進め、可能な限りの情報を集めることだった。


政府が設立した調査本部で、千鶴と颯は初めて顔を合わせる。互いに異分野のプロフェッショナルとして、最初は互いに距離を感じながらも、やがて二人の間には奇妙な連携が生まれ始めていた。


千鶴の科学的知見と颯の捜査能力が組み合わさることで、サボリンダーの謎に対する新たなアプローチが見えてきた。彼らは、感染者が集まる場所である廃工場へと向かうことに決める。


廃工場での調査は、二人にとって初めての共同作業となった。千鶴は病原体のサンプルを集め、颯は現場の証拠を収集する。しかし、その場所で彼らを待っていたのは、ただの手がかりだけではなかった。


工場の奥深く、彼らは突然の崩落に遭遇し、危うく大けがをするところだった。しかし、その危機的状況が二人の信頼を深めることになる。颯が身を挺して千鶴を守ったのだ。


事態は一段と深刻さを増していた。工場の中から、サボリンダーと思われる強力な病原体のサンプルを確保した千鶴。そして、颯は病原体の拡散に関わると思しき重要な証拠を手に入れていた。


二人は知らず知らずのうちに、この謎を解くための不可欠なパートナーとなっていた。未知の脅威に立ち向かう彼らの冒険が、今、本格的に始まろうとしていた。

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