サボリンダー〜無気力の果てに
星咲 紗和(ほしざき さわ)
第1話 始まりの兆し
静かな朝、細菌学研究所の一室。千鶴は顕微鏡の下で見える無数の細胞に見入っていた。彼女はこの日も、世界を脅かす未知の病原体を研究している。しかし、その集中も束の間、研究室の扉が勢いよく開かれた。
「千鶴、聞いたか?市内で奇妙な病が広がっているらしい。」
同僚の声に、千鶴は顔を上げた。「奇妙な病?」
「そう、感染者は全て、やる気を失い、反応がなくなってしまうんだ。」
この情報は、千鶴の興味を即座に引きつけた。彼女はその日、研究所のデータベースと外部情報を駆使して、この謎の病の情報を集め始める。
一方、市内では、エリート捜査官の颯が同じ現象についての報告を受けていた。彼は冷静に情報を整理し、この異常事態の背後に何があるのかを探り始める。彼の分析力と千鶴の専門知識が、やがて二人を結びつけることになる。
彼らはまだ知らない。この奇妙な病が、未曾有の脅威「サボリンダー」であることを。そして、彼らが人類を救うための鍵となることを。
千鶴は研究所で夜遅くまでデータを分析し続け、颯は街の闇を徘徊し、感染者の証言を集める。二人はまだ出会っていないが、彼らの運命は、すでにこの謎の病をめぐって交錯し始めていた。
物語は、こうして幕を開ける。二人の不思議な連携が、やがて世界を救う希望へと変わっていく。
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