KAC20248 めがね伝説

久遠 れんり

古文書騒動

 俺達はギルドのトップチーム。

 そして、張り合ってくる、もう1チーム。


 完全独走するために、チームリーダーの俺は資料を漁る。


「なになに。『異世界生活。付与魔法師は楽勝です』だな。内容は……」

 そのまま読み込んでいくが、いまいちよくわからない。


 中に書かれていたもので、目を引いたのは、『めがね』というもの。

『そのめがねには、多くの付与が施され、鑑定、透視、目からビーム、頭部用シールド。弱点看破に魅了が施されていた。それにより俺達は天下を取ることが出来た』だと。めがねか。そんなアーチファクトがあれば、俺達のチームもトップ独走が出来る」


 だが、どこを読んでも、めがねに関する形状。その記述が存在しない。

 これは困った。


 俺達は、伝説のめがねを探すことにした。


 だが、その事で、ある事実が判明をする。


「おお? 誰かと思えば、ギルドナンバーツーのチーム鉄壁のザルじゃないか、めがねとやらを探しているんだってなあ」

「ナンバーツーはおまえら、究極の矛盾ほこたてだろう。それよりもどうしてめがねのことを知っている?」

「さあ、どうしてだろうなあ。それよりも、アーチファクトは俺らが貰う」

「ちっ」

 どうして、こいつが知っている。

 情報は、チームの皆と、居酒屋のチクリちゃんしか知らないはずなのに。

 まさか、チーム内に裏切り者が?



 アーチファクトと言えばダンジョン。

 見たこともない、めがねとやらを探して俺達は探査を頑張る。


 宝箱や隠し部屋。そしてたまに発生をする、時空の裂け目。

 そんな所から、アーチファクトは発見される。


「何々、眼鏡がんきょう。目が悪い人に最適。近視用。なんじゃこりゃ」

 覗くと世界が歪み、酔いそうになる。


「畜生、めがねは何処だ」


 そんな頃。

「めがね? そんなもの探さなくても、鉄壁のザルって、チームリーダーのダヴィートさんが、鑑定と弱点看破を持っているし、聖魔道士のマヌエラさんがシールドを持っているわよね。透視と目からビーム? それと魅了って必要?」

「いわれりゃ、そうだな。まあいい。俺達は俺達で頑張ろう」

「だけど、ヨッヘムがこの前も豪語してたわよ。チームを守る俺が最強だって」

「言わせておけ。攻撃こそが強さにおいては重要だ」

「バランスじゃないの?」

 そう言って、エレオノーラは呆れた顔をする。


 その後、究極の矛盾は、内部で騒動が起き、バラバラになる。

 盾役のヨッヘムと、チームリーダーラッザロが攻撃が最強だとか言って喧嘩になったらしい。


 そして、鉄壁のザルは、ダンジョン内を徘徊しているうちにトップチームになっていた。


 相変わらず、ダヴィートが拘っていたが、何拘っているのか誰にもわからなかった。

「チクリちゃん。待っていろよ。透視か魅了を必ず……めがねぇ」

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KAC20248 めがね伝説 久遠 れんり @recmiya

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