日曜日

 相も変わらず早朝から足音が近付いてくる。

 俺がそろそろ妹の声が聞こえてくるな。と、思ったその時。


「おにぃ!起きろー。朝ごはん!」


 予想通り妹の声が聞こえて来て、いつも通りノックなどなく俺の部屋のドアが開く。もし俺が起きていて着替えていたらどうするのだろうか?って、別に着替えとか普通に見られているような――って、そのことは置いておこう。

 

 そもそも確か昨日は1日遊びに行っていた妹。疲れていないのだろうか? 

 俺の妹は今日もなんの問題なく俺を起こしにいつも通りの時間。早朝にやって来た。確認しておくが。今日は日曜日だ。

 本当ならゆっくりしたい。できる日なのだが俺の家では――って、もう説明しなくていいな。カット。


 妹の声が聞こえてからすぐ。今日も当たり前のように俺のベッドの上までやって来る。

 ミシッとベッドが少し悲鳴?をあげる。というかこの音が聞こえたらもう妹がそばに居るということだ。

 ホント何故に人の上で毎朝仁王立ちになりたいのか……。

 あと、今日は何色だ?などと思いつつ。目を開ける俺。

 

 あっ、――えっと、寝ていたからな?今日も妹を待っていたわけではない。ほんの気持ちだけ意識はあったというか――妹の今週のパンツに関して考えて――ないからな。ないない。

 マジで妹のせいで今週の俺は誰かに知られたらやばい奴じゃないか。

 とかとか思いつつふと、結局いつも通りの方向を見ちゃう俺――って。


「――あっ、白に戻った」


 1週間ぶり?かな。今まで通りの色。安定?というべきか。純白パンツのパンツ――って、また俺はミスった。なんだよ。パンツのパンツって、俺大丈夫か?まあ朝だから仕方ないか(寝起き――ではないが。ってこの情報は余計か)。とにかく。妹のパンツ。白くなった。

 って、そんな報告誰もいらねぇーよ。だよな。


 ――って。うん?今俺口に出さなかったか?

 出して……ないよな?あれ?なんか自分の声が聞こえたというか。脳内で言ったことが――聞こえて来ただけ?だ……よな?


「へっ?」


 すると、いつもなら俺の上で仁王立ちして、もう一声くらいかけてから足取り軽やかにリビングへと向かって行く妹が俺を見て固まる――って、おっ?あれ!?声に出てた?やばっ。

 俺ついにやらかす。というか。俺が悪いのでは――って、毎朝見ていた俺が悪いか。

 お巡りさん。犯人はこいつです。って、何してるんだよ俺。とにかくこういう時は――なんだ?その――あっ、言い訳か。って、言い訳?あれ?完全に全部俺が悪いのかって、とりあえず考えながらなんか言わないと。ここで妹が暴走――いうのか。騒いだらいろいろ終わりそうだし。


「あっ、なんでも――」


 確実に妹のパンツを見ていたのがバレた――。

 いや、再度というか。何度目かになるかと思うが。俺は見ようとしていたわけではないが。見えていたので俺は悪くない――いや、ホントいうと。毎朝元気をもらって――うーん。それだとなんか俺がマジでやばい奴――でも目をそらすことができなかったというか――だって寝ぼけている設定――って、設定って言ってる俺マジで変態兄じゃん!終わった!?終わったんじゃねおれ?

 1人でいろいろ考え脳内で人生終了みたいなまとめが出て来た時の事だった。

 妹が仁王立ちのまま呆れ顔になった。

 ちなみに隠す素振りはなく。しっかり純白パンツが見えている

 よし。正しく使えた――って、それどころじゃねー!


 って、うん?なんで妹が呆れている――ってそりゃ呆れるか。兄が妹のパンツ――って、でもなんか妹の反応がおかしいというか。

 普通ならまず見えないようにしないか?

 うん?現状は――どういうことというか。この流れはなんだ?と、とにかく変な汗と焦りがあった俺も妹を見てきょとんとした表情で妹を見る。

 すると、妹がなんか言い出したのだった。マジでなんか言い出した。


「おにぃ。やっと気が付いたの?いつおにぃが気が付くかやってたんだけど。まさかほぼ1週間かかるとはねー。パンツのネタ切れたら気が付くとかーもう。大丈夫?」

「……」


 俺の予想した未来じゃない。

 安心――でもあるんだが。安心?と、同時に俺は妹の事が大変心配になって来た。

 この妹は何を朝から言っているのか。である。

 現状は俺が妹に大丈夫?と言われているが。俺的にはお前の頭が大丈夫か大変気になるのだが――今の流れだと。わざとパンツを毎朝見せて――俺の反応?気が付くのを待っていたような雰囲気なんだが――?


「おにぃ?起きてる?」

「えっと――ああ」

「にしてもおにぃは心配だね」

「――なんで俺心配されてるんだ?」

「えっ?だって、おにぃが全く女の子に反応しないというか。彼女が居る雰囲気がなくて心配だったから。とりあえずパンツでも見せたらおにぃがどんな反応するか。お母さんとやってみた」

「…………うん?妹よ」

「うん?」

「母親?」

「うん。おにぃが異性に反応しなくなったかもしれないから。とりあえず確認?みたいな」

「――」


 馬鹿かな?というか。これに母親が一枚噛んでいる可能性が浮上したんだが?なんかもう朝からいろいろぶっ飛んだというか。何してるんだ?いや、マジで。

 とにかく――俺の家族大丈夫か?って、父親もざっくり巻き込んだ気がするが――まあいいか。


「えっと――とりあえず――隠せ」

「うん?」

「――その、下着」

「別にいいじゃん。布くらい。それにおにぃじゃん。お風呂も一緒に入る仲じゃん」

「いや、そう――って、いやいや」


 朝からマジで何を話し出すのか俺たち――って、こんなの誰かに知られるとやばいよね?やばいね。うんうん。やばい。とにかく――これはどうしたらいいんだ?というか、今サラッと妹はパンツくらいみたいなことを言っていたが――。

 俺の妹。マジで馬鹿だったかもしれない。いや、馬鹿というのか。なんだろうな。ポンコツ?わからん。

 兄としていろいろ心配だが――教育の話はまた別の話だ。いや、別ではないが――って、俺も混乱している。どうするのが正解というか。この後どうするんだ?


「あっ、とりあえずお母さんに報告しよ。お兄ちゃん無事にパンツ反応したって」

「いやいや」


 そんな報告マジでいらん。


「何?」

「そんな報告する妹があるか!」

「えっ?」


 別にそれくらい言っちゃダメってことないでしょ?と、言わんばかりに首を傾げる妹。

 とりあえず――この妹。いや、ポンコツガキ?を、どう教育。指導するべきなのだろうか……。


「ご飯先に食べるわよー」


 すると、母親の声が廊下から聞こえて来た。


「はーい。ってお母さん。お兄ちゃんやっとパンツ気が付いた!」

「朝から何言い出すんだ!」


 マジで普通に言いやがった!

 俺がやっと飛び起きそうに――って、起きれなかった。

 何故なら今俺が起きれば妹のそれこそ純白パンツに大接近するから――って、マジで何がどうなってる!

 とにかく。朝っぱらからこの後いろいろしないといけない?日曜日となった俺だった。

 いや、結局のところ俺の妹はやばい奴?なのか?って、待て、普通に1週間?言うのか。毎朝妹の純白パンツの観測?していた俺の方がやばいというか――あーもうわからん。

 とにかく、どうしよう!?


 なお、俺が毎朝妹の純白パンツを見るのはこれが最後だった――と、言いたかったが。そんなことにはならない俺の妹だった。

 これは外部には今のところ漏れていない俺と妹――いや、母親がサラッと関わっていたことが分かったから――俺の家族?とにかく。外部には漏れてはいけない日々の事である。

 ――って、ホント俺の妹は何がしたいんだよ!?俺も何してるか自分でわかってないけどな!?

 とにかく――今日も仲良し?一家である。とかまとめておこうと思う。

 そんなまとめ方じゃダメな気がするが――とりあえず今は俺の部屋を笑顔?で出て行こうとしている妹をまず止めた方がいい気がするからな。って、すでに母親に返事しているから――手遅れか。





 了

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定点観測日記 ~他人は見る。知る必要なしのとあるどうでもいい記録~ くすのきさくら @yu24meteora

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