色とりどりの仲間達~竜かよ番外編~

ゆる弥

なんで色で差別するの?

 今日はエリスさん、バアルくん、カーラさんと出かけてるんだけど。


 今、絶賛絡まれ中。

 それも猫の獣人と犬の獣人の女性がエリスさんの前に立ちはだかり文句を言っている。


「ねぇ、白い兎ちゃんだからって、私達を見下してんじゃないわよぉ!」

「そうよぉ! 白くて可愛いからってぇ! ブチの私たちをバカにしてんでしょう!?」


 なんて言いがかりなんだ。


「それに、角生えた黒の魔族に!」

「黄色の人族!」


 バアルくん、カーラさんを指さして。

 最後に僕の指した。


「「しまいには、下ろした緑の髪と黒襟で顔の見えない変なやつ!」」


 僕は別に変な奴でいいけどさぁ。

 ホントにこう言う人は形でしかものを見ないんだね。


 エリスさんも何も唖然としてなにも言えない。


「オレは何を言われてもいいけど、仲間が言われるのは黙っておけないな!」


 バアルくんがイケメン精神で犬猫の前に出た。


「なんだよ! カッコイイからってでしゃばんじゃねぇよ!」

「女にてぇ出すのかぁ!?」


 今度は女を武器にし始めた。

 この子達、本当に何なんだろう。


「ねぇ、止めて! 私に文句があるなら私だけに言って! 仲間は巻き込まないで!」


 エリスさんが顔を歪めて怒鳴る。


「白いのは黙ってな!」

「その白を泥塗ってブチにしてやろうか!?」


 この子達は本当に何故こんなことを言うのだろうか?

 全く理解できない。

 

「あのー、なんでそんなこと言うんですか?」


 勇気を振り絞ってカーラさんが聞く。


「「気に入らないから」」


 そんな理由じゃ何を言っても無駄かもしれないけど、僕も友達に文句を言われては黙っておけない。目立ちたくはないけど、これだけは譲れない。


 犬と猫の獣人、二人の前に立つ。


「お二人がどう思おうと勝手です。白が、黒が、黄色が、緑が気に入らないというのなら。僕達が何を言っても無駄でしょう」


 僕は少し早口になってしまったので、少し深呼吸をする。


「ですが、あなた達が自分で、自分を醜いから嫌だと言っているようにしか聞こえません。ブチの何がいけないんですか? 可愛らしいじゃないですか! 個性的じゃないですか!」


「か、可愛い?」

「個性的?」


 二人の女性はキョトンとしている。


「そうですよ。色が違うと何か変わるんですか? 世界を見てください。色んな色の人が居ます。同じ世界の人です。色が違うからと言って迫害するのは悲しすぎます」


 二人は段々と猫耳と犬耳が下がってきた。


「まずは、自分を認めてあげてはどうですか? ブチも可愛い。個性的な唯一無二の模様じゃないですか。皆同じ人です。心を通じて認め合えば色の違いで争うことはないと思います」


 目を伏せて反省しているようだ。


「そ、そうね」

「たしかに同じブチは居ないわよね?」


 少しだけど、納得してくれたみたいだ。


「悪かったわ」

「ふん! ブチが一番よ!」


 二人はプリプリしながらどこかへ去っていった。


「リオンくん、ありがとう。なんか、大人な意見だったね?」


「いやいや。ちょっと……」


「どこ行くの?」


 腕をガッシリ掴まれる。

 柔らかいものが当たってるんだけど。


「目立ってるから隠れようかなって……」


「いいこと言ったんだからいいの! 行くよ!」


 そのまま腕を掴まれたまま歩いて行くのであった。


 ちょっとエリスさんの頬が桃色に染まっていたのはなぜだろう?

 まぁ、黙っておこう。







 ─────────────────

 あとがき


 色盛りだくさんのお話はいかがでしたでしょうか?

 『竜かよ』が初めてだったかた。

 宜しければ本編もどうぞ!


 転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院に通います~

 https://kakuyomu.jp/works/16818093073031678831

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

色とりどりの仲間達~竜かよ番外編~ ゆる弥 @yuruya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ