卒業式の朝
かてぃ
卒業式の朝
〇〇先生……男女どちらでもOK
△△校長……男女どちらでもOK
(職員室)
〇〇先生「△△校長、おはようございます。」
△△校長「〇〇先生おはようございます。本日はしっかりと間違いのないようによろしくお願いしますね。」
〇〇先生「△△校長も途中で寝ないでくださいね。」
△△校長「わかってますよ。私は大丈夫です。」
(まだ生徒が登校前の教室)
【ドアが開いて閉まる音】
〇〇先生「はぁ…今日でこの教壇に立つのも終わりかぁー」
【ドアが開いて閉まる音】
△△校長「〇〇先生、どうしましたか?」
〇〇先生「あ、△△校長。今日でこの学校も生徒たちの卒業と共に廃校になってしまうではないですか?なんとなくしんみりしてしまって…」
△△校長「そうですね。〇〇先生は特別思いのある学校でしたからね。」
〇〇先生「はい。私が3年間お世話になった中学時代はもっとクラスも多くて、同級生も多かったですし、先生も沢山居ました。」
△△校長「そうでしたね。私もまだその頃は教師として教壇に立っていましたし〇〇先生のことは今でもよく覚えていますよ。」
〇〇先生「そうなんですか?あんなにたくさんの生徒を見ていたのに…」
△△校長「確かに、生徒数はあの時が1番多かったかもしれませんね。でも〇〇先生のことは印象的でしたからね」
〇〇先生「私そんなに目立つことはなしない生徒だったと思うのですが?」
△△校長「そうですね〜強いて言うなら〇〇さんの周りには生徒たちが集まっていつも楽しそうでしたね。」
〇〇先生「そうですか?いつも友達にはからかわれたりしてましたけど。」
△△校長「それが皆さんの愛情表現だったのかもしれませんね。」
〇〇先生「え?そういうものなんですか?」
△△校長「はい。そんなものなのですよ。〇〇先生が卒業してその後、さらに五年後でしたね。大学から実習生を受け入れて欲しいと連絡が来た時はとても驚きました。」
〇〇先生「私の中では教師しかないと思っていましたし、この学校が経営難に陥っているということを聞いて何とかしなくてはって気持ちが強くなったんです。」
△△校長「そうですね。生徒も年々少なくなっていましたしどうしたものかと頭を悩ませていたのは事実です。」
〇〇先生「そんな時だったんですね?私が実習生としてこの学校に来たのは。」
△△校長「はい。〇〇さんが〇〇先生とまで呼べるよう成長していたことにとても感動したのを覚えています。」
〇〇先生「ありがとうございます。私もまたこの学校に足を運べるということを嬉しく思いました。」
△△校長「しかし、生徒の減少や、教師の減少も避けられない事実となりました。せっかく先生として夢を叶えるべく来てくれたのに申し訳ないことをしましたね。」
〇〇先生「そんな、桜庭校長がお謝りになることではないですよ。私はこの3年間この学校の教員として務められたことに感謝しています。」
△△校長 「ぽん先生には本当に感謝しています。最後までこの学校の教員でいてくださったこと、生徒をしっかりと卒業へと導いてくれたこと、本当にありがとう。」
〇〇先生「私はこの学校は本当に卒業することになりますが△△校長の推薦のおかげで次の教員先も決まっていますし。」
△△校長「そうですね。こんなに立派に教壇に立てるのですから心配はいりませんね。本当に立派になって…」
〇〇先生「やめてください。涙が出ちゃうじゃないですか!まだ最後の卒業生達を見送らなければいけないんですから。涙で視界が滲んでしまったら生徒たちをしっかり見届けてあげられなくなってしまいます。」
△△校長「あはは。そうですね。生徒達に笑われてしまいますね。」
〇〇先生「さぁ、△△校長は卒業生に贈るお話は決めましたか?」
△△校長「あ、そうでした。練習しなくては。」
〇〇先生「さて、私も朝の朝礼に間に合うように卒業生へのメッセージ考えなくっちゃ」
(校門前)
〇〇先生「はい。おはよう。皆さんご卒業おめでとう。今日は素敵な卒業式にしましょう。」
(ナレーション)
〇〇先生自身は、新たな出発を切ることを決意する。
本人は、今後も教育の現場で生徒たちを支え、成長を見守っていくことを誓う。
この卒業という別れが、本人にとって新たな出発となる。
卒業式の朝 かてぃ @LieereKaty
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます