片腕がもやし生産工場と融合してしまったので、我が家の食糧難を救うことにした

灰色セム

腹が減ってはなんとやら

 ワナビ。ニート。まあ色々俺を指す言葉はあるが、ようは夢追っかけるロマンチストってことだ。

 今日もいつもと変わらない1日のはずだった。

 起きたら左腕が工場と融合していた。

 腕とコンテナを往復する黒い虫がいたので、叩き潰そうとしたら、耳がキンキンするほどの大声で怒鳴られた。

「コラーーッ!! 労働者を苛めるなーーッ!!」

「ごめんごめん。でもなんか小さくない?」

「しょうがねぇだろう、腕と工場の融合に巻き込まれちまったんだから」

 ふむぅ。なかなか面倒なことになっているらしい。

「社長さんいる? 話し合いたいな」

「聞いて驚け見て平伏せよ! 俺こそがスゴイウマイダイズ株式会社の社長である!」

・腕はずっとこのままなのか

・あなたたちは普通の生活を送れるのか?

・腕を借りることによる一時的な報酬(冷蔵便で届く山のようなもやし)

・工場がレベルアップすれば、ゆくゆくはお肉も……グフフフフ……

「松阪牛が! 食べたいかーー!!」

「食いてえ!!」

「俺はここにスゴイウマイダイズトミート株式会社を作る!」

・仲良くしよう、と固い握手をするふたり

・めでたしめでたし

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片腕がもやし生産工場と融合してしまったので、我が家の食糧難を救うことにした 灰色セム @haiiro_semu

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