とある男たちのトリバナ

宇宙(非公式)

トリバナ

「あのさあ」

「うん」

「最近、めっちゃ気になることがあるんだけどさ」

「どした」

「ジレンマとかトリレンマとか、ジは二、トリは三を表すでしょ」

「へえ、そうなんだ」

「そう、そうなんだけど」

「で、どうしたの」

「いや、車輪二つでジ転車なら、三輪車もトリ転車にしろよ!」

 

 『とある男たちのトリバナ』

 

 若林が自分の髪、白がベースで、赤のメッシュを入れてある前髪を少し触った。

「トリあえず落ち着けよ」

「上手いこと言えてないからな」

「いや、あえずが三つあるんだって」

「あえずってなんだよ」

 周囲からは子供達の遊ぶ声が聞こえてくる。最近は何やら、猫を真似するのが流行っているらしい。なんとも不思議な風潮である。俺と若林は生来猫は嫌いで、というか怖かった。

「ああ言う猫のやつ、なんて言うか知ってるか」

「猫ニーズだろ」

「別に猫のオンデマンドじゃねえよ」

 俺は一つため息をついた。若林は世間知らずなところがある。

「猫ミームだよ」

俺の博識さには目もくれず、若林はレンガと向き合っていた。

「どうしたんだよ」

「いや、あいつにはできなかったレンガの吹き飛ばしも、俺ならひょっとして、と思って」

「さん、いやトリ匹の子豚かよ」

「取引の子豚?」

「オオカミは息を引取したけどな」

「うるさい」

 少し間を開ける。若林は何かいいことでも思いついたかのようにためている。これは期待ができるかもしれない。

「でもまあ、俺たちもトリ、いや鳥だからなあ」

……………………………

…………………………

……………………

…………

「いや終わらねえよ」

「だめかあ」

「いや、もう六回目だからね…面白いオチに持って行きたくなるよね」

「そうだよね…もう作者も今正直勢いだけに任せて書いてるよね」

「まあ許してあげなよ、あいつインフルエンザで今日起きたんだからさ」

「それにしても、テーマ『トリあえず』ってなんだよ。誰がこれで斬新などんでん返し考えられるんだよ」


二人は頼んでもいないのにも関わらず、ストーリーの話を続けている。そう、トリバナを、ダラダラと続けていた。

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とある男たちのトリバナ 宇宙(非公式) @utyu-hikoushiki

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