自画像が描けなくなった

第1話

【自画像を描けなくなった】

||エロ漫画などの表現で、自分で自分がわからなくなるぅぅぅ♡みたいな表現があるのは周知の事実だろう。

そんな体験を私は去年から発症してしまった。

事の発端は些細な事だった。

その日は久しぶりにアナルオナニーをしていた。していただけだった。

いつもより感度が高く、快楽をいつもより多く摂取していた。

その時だった。ぷつんと音を立て、自分の中で何かが切れた。自分を自分と認識する神経が切れたのだろうか。自分が誰かわからなくなった。

名前が思い出せない。

自分の体付きが思い出せない。

自分の顔が思い出せない。

自分の髪型が思い出せない。

自分は何者だ？

自分に対しての記憶は空っぽになっていた。

今でも私は自分自身の名前が思い出せないし、顔なども思い出せない。

鏡を見て、自分の顔を見ても、本当にそれが自分の顔かわからない。自信を持てない。写真として残った物をこれは自分だとはわからないだろう。

だからこそ私は歩んでいく。

新しい自分として。

【山田】という新しい名で。