トリあえずやっときゃよかった

有海 彩火

第1話 誰しもあたる壁

 中学生というのは、周り目を気にしはじめるお年頃だ。今まで、何も気にしていなかった分、必要以上に気にしてしまうものだ。

 中学生なんか半分近くは授業に集中していないのだが、発言を嫌がり、間違えを恐れる。同時に、小学校から中学校へ入り人数が倍以上に増え、自分が所詮井の中の蛙であることを経験する人も多いだろう。


 そんなこんなでプライドと自信を砕かれ、やらなかったことへの後悔は多くあった。そのうちの一つを書いてみようと思う。


『生徒会に立候補しなかったこと』


 小学生の頃の口癖は

「やらない後悔より、やった後悔」

一歩踏み出すか悩んだときには、とりあえずやってみるようにしていた。

 やってみて、あまりの辛さに後悔することはあるかもしれないが、その経験から学ぶことが一つもないわけではないと思っていたからだ。


 そんな私が一歩踏み出さなかったのは

上には上がいることをしり、才色兼備な人に多く出会い、無駄に自分の駄目なところばかり見続けていたからだ。

 それに加え、委員の仕事を頑張っていた人が、袋叩きにあっていた様子をみた直後のことだったこともあった。


 1年後、生徒会役員は忙しそうでありながらも皆いきいきしていた。


『学校でしかできない経験』

 それを逃してしまった。

そして、生徒会と全く同じ経験をできる機会はないだろう


立候補したところで当選していたかは分からない。でもそのチャンスを自らドブに捨ててしまったのはもったいない。


 あれこれ考えず、つべこべ言わず

『トリあえずやっときゃよかった』



ーーーーー

 言い訳のようにも聞こえるが立候補しなかったことを間違えだったとは思っていない。


 生徒会をやらなかったおかげで、文化祭実行委員長となれた。文化祭での企画、それに伴う根回しの、報連相や電話のかけ方、手紙の出し方を先生方にみてもらいながら、物事の実行に必要なことの体験ができた。


そして何より、

悩むことがあっても、


『トリあえずやってみればいい』

『やらなかった後悔よりやった後悔』

が自分にあうと身に染みて感じれたのだから

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トリあえずやっときゃよかった 有海 彩火 @anna_smile_2525

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