編集済
終わりの始まりへの応援コメント
コメント失礼いたします。
『画鋲』に圧倒されて、他にどんなの作品を書かれているのだろうと気になって開いたら……KOUJIでした。圧倒されました、KOUJIに。一気読みしてしまいました、KOUJIを。詰め物とれただけだよね!?と何回突っ込んだかわかりません。素晴らしかったです。まだ続くみたいなので(なぜ?笑)、引き続き楽しみにしておりますm(__)m
作者からの返信
ありがとうございます。
なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです。笑
歯医者に通うのが辛すぎて始めた、完全におふざけのエッセイです。
小説から読んで、エッセイを読まれた方は、ドン引きするか面白がっていただけるかのどちらかなのですが、楽しみにしていただけるということなので、これからもよろしくお願いいたします。
来週には最終回を迎えられると良いのですが……。
番外編・二次創作「愛の滑落」福山典雅様・著への応援コメント
ああっ、すいません、折角の「KOUJI ~愛とすれ違いの日々~」という素晴らしい作品のPV数及びコメント数を激減させてしまいました。ごめんなさい、申し訳ないです。反響が薄い駄作を書いてしまい、誠に申し訳ございません。猛省致します。
そして、その様な拙作を温かく掲載して頂き、海より深く感謝でございます。ありがとうございました( ;∀;)
作者からの返信
お気になさらず!
大作ありがとうございます。pvやコメントまで気にかけていただきありがたいことです。
皆様、土日は意外と忙しいのです!笑
番外編・二次創作「愛の滑落」福山典雅様・著への応援コメント
キリコさん……それでもKOUJI先生のことを……。
あれ? これが本編……二次創作……?
作者からの返信
壮大なる愛の物語……。
そう。これが本編……。
あれ?
春の嵐への応援コメント
あの、なんか長くてすいません。お約束していたので、一応完結まで書いてみました。方向性がどうかなと思う所もあるので、このまま放置でも構いません。いつでも削除して下さい( ;∀;)
「愛の滑落」 第3話 ー直接対決ー
「馬鹿な事をしている」
僕は春雨が舞う夜の中、傘もささずに佇んでいた。遠景に霞む街のネオンが混乱した僕の心の様で、ひどく虚しく感じる。だけどその混乱の中、確かに感じる温もりがあった。それは彼女の家が灯す温かな光だ。
僕はストーカー行為にまで及んでしまう自分を恐れながらも、否定できない燃える様な想いに抗う術もなく、自制を失くしたまま途方に暮れていた。もうすぐ彼女の治療が終わってしまう。
「馬鹿な事をしている」
僕はもう一度自虐的に呟くと、行き場のないこの惨めさを抱えたまま、踵を返そうとした。
「……先生」
そっと頭上に傘が差し出された。
振り返るとそこには、淡いベージュのレインコート着たキリコが静かに立っていた。美しい彼女の顔がただ曖昧にその感情を押し隠し、深く沈んでいる様に見えた。
「先生、もう帰りましょ」
「……」
穏やかに囁くその声は、優しさに満ちた響きを持っていた。
だが、僕はどうしょうもなく激しくイラついてしまう。
「君はなぜここにいる?」
皮肉めいた視線で、冷たく彼女を見据えた。
「……せ、先生のご様子がおかしかったものですから……」
「ふざけるな」
僕は右手でかざした傘を強く跳ね上げた。勢いのまま傘は彼女の手から離れ、力なく道端に転がった。
「余計なお世話だ。いったい君は何様のつもりだ! 僕を心配するふりをして、支配でもするつもりか?」
「そ、そんな! 私はただ先生の事が……」
「その押しつけがましい態度にいらいらする、僕は女性のそういう部分が最も嫌いだ。もう僕には構わないでくれ!」
途端、彼女はその瞳に涙を溜めて、縋りつく様に激しく抱き着いて来た。
「そんな事は言わないで下さい! お願いします、どうか、どうか、もうあの女の事は忘れて下さい! このままでは、先生が先生で無くなってしまいます、私は嫌なんです、怖いんです!」
「君に僕の何がわかる、君は何もわかっていない!」
「わかっています!」
彼女は泣きながら、その瞳で僕を真っ直ぐ睨んだ。
「だって、彼女は小夜子さんにそっくりじゃないですか!」
パァーン!
僕はキリコを跳ね除け、その頬を激しく叩いた。
「その名前を口にするな」
糸が切れた人形みたいに濡れたアスファルトの上に倒れ込んだ彼女が、びしょ濡れのまま手をつき恨めしそうに僕を見上げ叫んだ。
「先生は小夜子さんの影を、あの女と重ねているだけなんじゃないですか! もうそんな事はやめて下さい!」
「君に指図される言われはない」
「私は先生の事を愛してます。私の事がどうでもいいのなら、なんであの時私を抱いたんですか! 先生は、先生は、一体何を考えているんですか!」
「……君は何もわかっていない」
僕はそれだけ告げると踵を返し、振り向かずに歩き始めた。
「うわぁあああああああああああああああああん」
背後から悲痛な彼女の鳴き叫ぶ声が、空気を切り裂き僕を批判するみたいに轟いて来た。
かつての僕の婚約者であった小夜子、外科医の兄に奪われた愛する人。僕は苦い思い出をすりつぶす様にただ歩いた。
キリコ、君はなにもわかっていない。僕の気持ちなど君には到底わからないだろう。治療中の彼女に求めるこの気持ちは、誰にもわからない、いや、わかるはずがない。
僕は肌寒い夜雨の中、孤独と渇望が押し包む愛を抱えている。どうしょうもない虚しさに濡れながら、報われぬ想いのやり場を見失い僕は彷徨った。誰にも推し量れない愛の滑落が、僕を捉えて離さない。
「愛の滑落」 最終話 ー愛ー
あの夜の翌日、一番に出勤する私よりも先に先生が来ていた。
「昨日は悪かった」
先生はそう言うと、私を優しく抱きしめてくれた。
わからなかった。先生が何を考えているのか、私にはわからなかった。それでも、慰め者にしか過ぎない自分で構わないと思った。私は馬鹿な女だ。
先生は他の患者よりも、小夜子さんと似たあの女に対し、ことさら丁寧に治療を行う。その小夜子さんとは先生の元婚約者で幼馴染だった。医療法人グループ、その家の次男である先生は生死を預かる事を嫌い、歯科医を目指した。そして小夜子さん婚約を解消し、グループの跡取りである先生の兄の元に嫁いだ。
私は小夜子さんを思い出させ、先生の心を乱すあの女が憎い。先生が何を考えているのか分からぬまま、平穏に数日が過ぎた。
そしていよいよ明日が治療の最終日となった。私は早めに準備をしっかり整え、完璧に終わらせようとぬかりはない。そんな時だ。
「キリコ、鳥さんの治療だが明日で最終ではなく、被せた後に様子見と確認の意味も兼ねて、その次で最後にするから」
突然、先生はそんな事を私に告げて来た。
瞬間、身体の中が猛烈に熱くなった。だが、その次の言葉で私の熱さが消えた。
「それで本当におしまいだ。もう彼女と関わる事はないよ」
皆が帰り、病院にはもう私と先生しかいない。先生は私をじっと見つめた。
「どうしても君に話しておきたい事があるんだ。少しだけいいかな?」
「……なんでしょうか?」
私がそう答えると先生は医院長室に誘い、ソファに座る様に促した。
私は少し緊張していた。いつもと何かが違う、そんな予感がよぎっていた。
「実はあの夜、兄から電話があった」
「えぅ?」
「小夜子が自殺未遂をしたんだ」
驚きの話だった。私はびっくりしてしまい言葉を失った。
すると先生は一息ついてから、何かを決意した様に静かに語り始めた。
「君に聞いて欲しい話というのはね、実は僕と小夜子はずっと不倫関係にあった。僕らは壊れてしまった愛の欠片をかき集める様な、そんな虚しい間柄だった。彼女はうちのグループ内で不動産部門を仕切る家のしがらみがあり、どうしてもうちとの繋がりの為、兄と結婚しなければいけなかった。僕達の想いなどなんの力もなかったんだ。
そんな関係を続けても先はない。それでも僕達は関係を辞める事が出来なかった。僕はそんな日々が苦しくてたまらず、君を抱いてしまった。酷く申し訳ないと思っている。僕は君に頼ってしまう自分の心の弱さが嫌だった。
そんな時に彼女が診療に現れた。
君は小夜子に似ているから、僕が彼女の事を好きになったのだと思っているだろう。それは半分正解で半分誤りなんだ。僕はわかって貰えないかもしれないが、彼女に『純粋な愛』を見ていたんだ。今の僕が失くしてしまったモノ、かつての小夜子に見ていた『純粋な愛』。そんなものはもうないのに、僕は彼女を治療しながら、自分への救いを求めていた。僕は失くしてしまった『愛』をただ彼女の中に見出そうとしていた。そんな事は決して叶わぬ事なのに、そんな幻想にただすがっていたんだ。
だけど、小夜子が自殺未遂をした。
幸い発見が早かったので、命に別状はない。精神的にも安定していて僕は翌日には彼女の要望で、兄の許可を貰い病室に話しに出かけた。
彼女は笑っていた。もうこれで兄と別れる事が出来る。自分は家のしがらみから解放されると言った。僕は驚いた。大人しかった彼女が、僕との不倫の果てに見出した結論は、この偽装自殺だった。彼女は僕とも別れると言った。もう全てを終わらせ、家を出ると言う。最後に『今までありがとう、さようなら』ときっぱり言われた。
その時、僕は愕然とした。僕には彼女ほどの強さはない事を改めて知らされた。怖かった、とても怖かった。自分を世界に繋ぎ止めていた鎖が突然無くなった様な気がした。
そんな時に頭に浮かんだのが君だ。
僕は卑怯で最低で、今まで君に冷たくしてした。だけど、僕は初めて側にいてくれる君の有難さに気がついたんだ。とてもわがままで、普通ならこんな事を言うべきじゃない事もわかっている。だけど、僕は君がいてくれることで、やっとまとな人間になれるんだとわかった。僕には君が必要だ。
キリコ、お願いだ、僕にやり直すチャンスをくれないか?」
先生はそう言って私を見つめた。
私の尊敬していた先生が、ひどく弱い人に見えた。ひどく小さな人に見えた。
不倫の果て、相手を自殺させる程追い込んでしまった、そんな最低で駄目な人間だ。その上、何一つ反省もせずに自分の事だけを考えて、私を求めようとする。有り得ない人間だ。私がたまらなく好きになった人は、最低のクズだった。
こんな人について行っても、きっと私は幸せになれない。彼はきっと側にいる女を必ず不幸にしてしまうタイプだ。そんな人だ。愛の意味もわからず、己の感情のままに周囲を惑わせ苦しめる、甘ったれたどうしょうもない人間だ。
だから私は答えた。
「……先生がそう望むなら……」
私は泣いていた。
悲しいからでも、嬉しいからでもない。
ただこの人の弱さに泣いていた。
駄目だとわかっていながら、この人の側にいる事を選んでしまう。
私も弱い人間なのだ。
私達の愛は底が見えない闇の中に落ちていく。まるでザイルが切れてしまった登山者のように。
私は自分の中にあるどうしょうもない弱さを見つめながら、この愛の滑落に身を投じてしまう。そんな自分に慄きながら、私をそっと抱きしめる先生の胸の中で、束の間の安らぎに身を委ねていた。
完
作者からの返信
新たな女登場wwwwww
KOUJI、なんてひどい男!
大作ありがとうございます!
消すなんてもったいないです。
もう、KOUJIとキリコの幸せを願ってやみません!
後ほど番外にてご紹介させていただきます。
番外編・二次創作、詩と曲(音量注意)への応援コメント
ご紹介、ありがとうございます。
本日、通院日なのですね。
なぜだか、今日が最終回にはならない予感がしておりますが。早く治療が終わりますことを願ってやみません。
お大事に……
作者からの返信
ありがとうございます。
今日こそは最終回です。
多分、そのはずです。笑
番外編・二次創作、詩と曲(音量注意)への応援コメント
ご紹介ありがとうございます!
いよいよ今日ですね。
いつか来るKOUJIとの別離。
おかんさま、どうか泣かないで……。
作者からの返信
ありがとうございます。
今日流すのは歓びの涙であると信じております。
編集済
番外編・二次創作、詩と曲(音量注意)への応援コメント
ああ、今日になってしまいました。
どきどきしております。
たいへんに失礼をいたしました。ご紹介、誠にありがとうございます。
本日の更新を心待ちにしております。
作者からの返信
どうなることでしょう。
今日の昼にはお報せできるといいですね~。
編集済
番外編・二次創作、詩と曲(音量注意)への応援コメント
やっと、この『KOUJI ~愛とすれ違いの日々~』が明日で最終回を迎えるんですね。
……とフラグを立てておけば、もしかすると、KOUJIが『また来週』と言ってくれるかもしれない……
作者からの返信
いやーーー!!
フラグを建ててはいけません!笑
もう聞きたくない台詞No1「また来週」
番外編・二次創作、詩と曲(音量注意)への応援コメント
KOUJIもこんなに(カクヨムの人たちから)愛されているとは思ってもみないことでしょう。
作者からの返信
本人の与り知らぬところで愛されるKOUJI氏。笑
次回、最終回、なるか!?
番外編・皆さまのKOUJI愛への応援コメント
二次創作がことごとく素晴らしい。みんな、何かに憑かれたように。危険だと告げるには遅過ぎるのでしょうね。
作者からの返信
皆さま素晴らしいですよね。
KOUJIがいかに危険な男か、あれほど力説したのに、すっかり虜になってしまったようです。笑
番外編・皆さまのKOUJI愛への応援コメント
拙作を載せて頂き、誠にありがとうございます。誤字が多くて死にそうに恥ずかしいです(笑)。皆様のKOUJI愛の妨げにならぬことを祈りつつ、温かい御感想やお言葉に感謝でございます( ;∀;)
作者からの返信
こちらこそ、お忙しいところありがとうございます。
勝手ながら誤字などはこちらが気付いた範囲で修正させていただきました。
皆様のKOUJI愛、素晴らしいです。
編集済
番外編・皆さまのKOUJI愛への応援コメント
僕は焦《じ》らしているわけじゃないんだ。
ただ、あの人に会いたくて、
会うための口実が欲しくて。
あぁ、愛しいあの人よ
僕のわがままを許しておくれ
「では、まだ来週」
そう言って、クールを装った仮りそめの僕の仮面を
愛しいあの人よ、剥ぎ取ってはくれないか。
〜koji その口実《コウジ痛》〜
コウジのイタイ愛でございます。ww
※お気に召さなければ削除で構いません。
作者からの返信
ありがとうございます。
素敵です。
折を見て、また番外編でご紹介させていただきますね。
番外編・皆さまのKOUJI愛への応援コメント
昼ドラ!
ジェットコースタードラマ(死語?)だ!
皆さまのKOUJI愛がすごい!(笑)
作者からの返信
すごいですよね!
最初に豆様の詩をモノローグで入れて、板谷様の曲が流れ、福山様の愛憎劇が始まれば完璧です!
誰かエンディングテーマを!
あれ?本編(エッセイ)どこ行った!?笑
番外編・皆さまのKOUJI愛への応援コメント
キリコにそんな壮絶な過去があったとは!!(爆笑)
望むと望まざるに拘らず、キリコの憎しみの渦に巻き込まれる鳥尾さま!
次回『直接対決』!! 楽しみにしています♪ (…え?その予定はない…ですか?)
作者からの返信
いつの間にか名前まで!笑
そんな愛憎劇に巻き込まれていたとは私も露知らず!
そうか、そうだったのか。
やけに雑な扱いだと思ったわ。
でも、私情を挟まず仕事する彼女はプロ!笑
花京院様、続き書いてみます?笑
編集済
番外編・皆さまのKOUJI愛への応援コメント
ご紹介ありがとうございます。
そして、「愛の滑落」 ―第三の刺客―を書いてくださった福山典雅様、『KOUJI』を書いてくださった豆ははこ様、感謝いたします。
ところでドラマ化はいつでしょうか?チラリ
金妻のパクリみたいな題名じゃなく「愛の滑落」がしっくり来ている今日此の頃です。
作者からの返信
ありがとうございます。
素晴らしいです。
KOUJI盛り上がってますね。(*´艸`*)
ドラマ化、まだでしょうか。
私も待っています。
主演女優は誰がいいかな~。笑
番外編・皆さまのKOUJI愛への応援コメント
こんにちは。ご紹介、誠にありがとうございます。光栄に存じます。
お言葉に甘えまして『KOUJI』弐 をしたためさせて頂きました。
わたしの中のいびつな空洞
うめるのは、あなた。
うめて、うめて、うめないで。
むりな願いを夢みた罰か
そう、わたしの空洞は
そうよ、まだ、あいているの
今なの、次なの、いつかなの
教えてくれない、罪なあなた。
そうよね、だから。
わたしを、診て。
どうぞご自由にお使い下さいませ。
弐の表記は2などにご変更頂きましても一向にかまいません。
よろしくお願い申し上げます。
作者からの返信
早速の第2弾、ありがとうございます。
折を見て、ご紹介させていただきますね。
皆様に愛されるKOUJI!(本人は知らない)
Bad Habits (悪習)への応援コメント
キリコの存在により物語にいっぽんの横糸がぴいんと張られたように観ぜられます。愛憎の谷間でもがく三つの魂。救済のときは来るのか。次回「見知らぬ、土台」。あなたの奥歯に、もう、KOUJIの指がかかっている。
作者からの返信
キリコwwwいつの間にかキリコ!
大変です!
歯医者に行くのも命懸けですね!笑
3/27の近況ノートのコメント欄に、福山さまの二次創作(続き)があるので、よろしければそちらもご覧ください。
Bad Habits (悪習)への応援コメント
KOUJIのお陰で私は本日を乗り切れました。有難う御座いました。
それにしてもKOUJI、相変わらずズルい男ですね。
全てが終わったら、板谷と共に髪を切りましょう!
作者からの返信
よかったです。
こちらこそありがとうございます。
来週こそ終わることを切に願っています。
髪も切りたいし。笑
編集済
Bad Habits (悪習)への応援コメント
面白かったです!
次回の『歯科助手キリコとの直接対決!〜禁断の三角関係〜』楽しみにしています!
……え、違う?
作者からの返信
期待が!
これは恋愛小説家、福山先生にお願いしなくては!笑
Bad Habits (悪習)への応援コメント
KOUJI ~愛とすれ違いの日々~
2次創作「愛の滑落」 福山典雅著
「お前は俺だけのものだ」
僕は何度その言葉を飲み込んだ事だろう。愛と罪が同じなら、僕はその業火に焼かれてもいい。咎められるべき行為の果てには、何一つ確かなモノはない。わかっている、わかっているさ。許されざる愛の滑落が僕を捉えて離さない。
「先生、ちょっと」
歯科助手のキリコが、僅かに頬を上気させ僕を呼んだ。
「えっ、〇番のセメントじゃないの?」
「それ、使っていいやつでした?」
「ああ、あ~、ちょっと確認するね」
「私言いましたよね。△番の方だって」
「あれ?どうだったかな」
僕は批判がましい彼女の言葉をやんわりとかわす。その煮え切らない態度に業を煮やしたのか、彼女は僕の腕を取り懇願する様に小声で訴えた。
「わざとですか、あの女をまた治療に来させる気ですか!」
「……君には関係ない」
「いやです! もうおしまいにして下さい、私耐えられません!」
「何度も言わせるな、君には関係ない」
「先生は私の気持ちをご存知なくせに、なんで、なんであんな女を……あっ!」
咄嗟に僕はキリコの腕を強引に払い、その頬を激しく叩いた。
「君には関係ないと言っている」
冷たい響きが室内を凍らせた。床に突っ伏しすすり泣く彼女の声が、僕には霧雨の様にうっとおしく感じられた。
「仕事に戻るんだ」
キリコ対し、自分でも驚く程の冷酷な声で僕は命令した。
「……あの女のせいだ、あの女がいるから、全部あの女が悪いんだ、憎い、憎い、憎い、憎い……」
彼女が呪う様に呟く言葉を無視し、僕は再び治療室に戻った。
そこには僕の愛しい人が座っていた。午後の陽光が優しく降り注ぎ、そのきめ細かい肌が透き通る様に輝いて見える。ああ、この美しい女性と触れ合える日など来るはずがないのに、僕はまた馬鹿な罪を重ね様としている。人を不幸にするだけのこの想いを、何もかも失いかねない危ういこの想いを、僕は生涯を賭けてすら得難い愛だと感じていた。
だが、もう限界だ。別れの時は刻々と迫っていた。なのに僕の想いは日を追うごとに自制が効かなくなっている。それはまるで二度と這い上がる事が許されぬ深く険しい奈落の底へと落下する事なのに、僕にはどうしょうもなく止め難くそれを望んでいる自分を抑える事が出来なかった。絶望的なこの愛の滑落が僕を捉えて離さない。
なんか、すいません、つい……( ;∀;)
作者からの返信
ありがとうございます!
キリコ!!
腹抱えて笑いました。
KOUJI、意外と乱暴者!
皆様にご紹介したい!笑
Bad Habits (悪習)への応援コメント
やはりwww
しかしセメントの話はなに?
まさか医療ミスなの⁉
つまり来週は土台の作り直しなの⁉
作者からの返信
来週こそは本歯を被せると思うんですけどね。
セメントは土台と本歯をくっつける為のものなのでしょう。
確認しとけ~、KOUJI!
Bad Habits (悪習)への応援コメント
KOUJIって会いたいから治療を長引かせてる!
間違いないΣ(*゚Д゚*)
かも…(*>ω<*)エヘヘ
作者からの返信
Σ(゚∀゚ノ)ノキャー
もういいです!行きたくない!笑
来週こそ終わりますように!
Bad Habits (悪習)への応援コメント
歯の治療というか、こういうのってホントに大変なんですね……。
昔う蝕によって銀歯を作った時はすぐ終わったのですが……。
き、気を付けよう……(汗)
いよいよ来週で終わるのでしょうか。
経過観察とかでももう一週くらいありそうな予感……。
作者からの返信
経過観察!Σ(゚∀゚ノ)ノキャー
今は丁寧にやるのが主流みたいですからね。
子供の頃、噛み合わせが悪くて歯列矯正に通ってましたから、歯医者が長引くのには慣れてるんですが、1本の歯にこれほど時間がかかるのは初めてです。
少しでも違和感を感じたら、すぐに歯医者に行くことをお薦めします。
Bad Habits (悪習)への応援コメント
KOUJI。鳥ねぇの方から振り向かせたいとか韓流ドラマみたいですね!(まったくもって内容を理解していない感想)
作者からの返信
韓流ドラマはあまり見ないけど、多分そんな感じなんじゃないでしょうかねえ。
(要領を得ない解答)
Bad Habits (悪習)への応援コメント
「終わらないね」
「フラグだね」
無情なお子様達の言葉…(笑)。
KOUJIのミスなのか?
ミスなのかなっ!?
作者からの返信
是非ともフラグをへし折りたかったのに。笑
KOUJIの会話が不穏過ぎて、待ってる間震えました。
早く終わって~!
Bad Habits (悪習)への応援コメント
時間かかりすぎー(:_;)
KOUJIの話はおもしろいけど。
しかしどうしてそんなに時間かかるんだろ?
作者からの返信
ありがとう。
最近の歯医者さんは丁寧に痛くないようにやるのが主流なのかな~?
早く終わってほしいわぁ。(´;ω;`)
Bad Habits (悪習)への応援コメント
……まさかの。
いや、もしかしたら、予想通りの展開。
🔔が最終回と伝えていなかったので、もしや、と思っておりました。
そして、お子さま方のツッコミが、豆の食事運に対する我が子さんのそれと同じで笑いました。
しぜんと備わる力のようでございます。
作者からの返信
うう(´;ω;`)
盛大にフラグを立てて終わりませんでした。
早く完結済みを押したい!
豆ねえさまも同じでしたか。
ツッコミどころが多い親を持つ子の特性なのかもしれませんね。笑
ぎょーん((((;゚Д゚))))への応援コメント
コウジは愛されている? ちょっと今の段階じゃなんと言うか、、、
続きは明日読みます。
作者からの返信
ありがとうございます。
いい先生だとは思いますが、嫌々通っている歯医者なので、そこに愛はありません。笑
それっぽく書いてるだけです。
やっちまったのはどっちなんだいへの応援コメント
麻酔なしなんてたえられなーーーーーーい( >д<)、;'.・
鳥尾巻さま、我慢できたのは、本当に素晴らしいのです!
作者からの返信
ありがとうございます。
頑張りました!
はなむけへの応援コメント
面白かったー!
私の中の『KOUJI』が新たに刻まれましたね(笑)
遅ればせながら、完結(?)おめでとうございます!
いろんな意味で、お疲れ様でした^^;
作者からの返信
最後までお読みいただきありがとうございます。
KOUJIは永遠に不滅です!笑
歯に違和感を感じたら、こまめに歯医者さんに行かねばなりませんね。
このことは私にとって良い学びとなりました。