青い夏
仕事帰り、なんかの景品でもらったスポーツドリンクが一本、テーブルの上におきざりになっていた。冷蔵庫に入れるのも忘れていた。
「なんだか久しぶりに飲むな」
社会人どころか大学生になってから飲む機会がめっきり減ったそれは、よく飲んでいたころと変わらないラベルだった。時代を超えて飲まれているのだと思う。
青いキャップを、明かりをつけるか否か微妙に迷う暗がりの中でひねる。
「……ぬるくて、あまい」
あの日の夏の味が舌にいつまでも残る。
今の私には、少し甘すぎた。
百合の花束【掌編百合小説集】 割箸ひよこ @Wrbs145
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