プロビデンスの巨人、今ここに憑依顕現す。

余りにも周到な筆致に驚嘆する。

アーカム、ミスカトニック大学、1928年、最極のΦ、大いなる者ども。
友人を探して、ついうっかり深淵を覗き込んでしまった『彼』の末路は、それでも最期の正気を保ちながら自ら決断し、同時に人々への警告となった。
 地上に於いて、神は森羅万象に宿る。だが、それだけではない。遙か空の彼方、時空の陌間、そして海溝深く…。
想いを寄せるだけで空恐ろしくなる。

もしかすると作者は『託された人』なのかも知れない。

願わくば、前の人生で書ききれなかった怪奇譚が、今後も増えて行くことを。