第13話 真夜中
真夜中の人気のない街並み、行き交う車さえ途絶える時間、2時から4時位に車を走らすのが好きだ。
仕事を終えて19時頃には自宅に直帰、夜食もとらずにすぐ就寝。深夜1時に起床、冷水シャワーを浴びて目を覚まし、食パン2枚をコーラで流し込む。
スウェットに着替えてマイカーが待つ駐車場に向かう。スターターボタンを押すと低重音が響き、ライトが闇を裂く。自分だけの空間にお気に入りの声が流れる。
「正面で見ても 横から見ても 下から見てもいい女·······」
真夜中は別世界。窓の外に世界の全てを置き去りにして、無人の街中を走る。
40分ほど走り、いつものようにUターンして自宅に。大きな交差点の赤信号で停止。交差点の少し先に人影がぼんやりと浮かぶ。
事故現場にはよくあることだ。最近、事故があったのだろう。もちろん車は止めはしない。
200mほど走り過ぎてバックミラーを覗く。写ってる、美少女が、そっと後ろのシートに·······
『どうして乗せてくれないの』
夢幻廻廊 希藤俊 @kitoh910
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