第12話 ベジタリアン
「おはよう、昨日も残業かな。あまり無理しちゃダメだよ」
業務繁雑で残業続きのせいか、美しい顔が蒼白い。
「課長、ありがとうございます。業務が落ち着きましたら、少しのんびりさせていだきます」
入社2年目、美しく優秀な上、がんばり屋で性格も良い。社内でも人気があり、男性社員が覗きにくるようだ。
「そうか、落ち着くまでもう少しだね。よろしく頼むね」
昼ご飯を何回かご馳走したが、ベジタリアンということで、食べるものが限られていた。
「肉も少し食べられると良いんだけどね」
「ごめんなさい。肉は苦手で」
微笑む顔が可愛い。野菜、肉、魚、甘い物や辛い物と、好き嫌いは人それぞれだが、その野菜もほとんど食べないから心配なんだ。
彼女の友人から聞いたことがあるが、彼女のマンションには可愛いハムスターがいっぱい。本当にやさしい子なんだな。
朝、出社前のごみ出しが日課のようだ。重そうなごみ袋を集積場に置き出かける。
生臭さが漂う、ゴミ袋の最下部に赤いシミが滲んでいた。
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