第5話
「実はですね…」
簡単に言うと魔剣を引っこ抜いたせいで攻撃を受けれなくなったらしい。
正直、あの時引っこ抜いた自分を殴り飛ばしたい。
…衝動で隣りにいたホーリーゾンビを殴り倒したのはごめんなさい。
冥福を祈ります…
「ダンジョンのモンスターですからね!?」
思考に入ってくるのやめて欲しい。
「心の声だだ漏れですが!?」
「とりあえず服を乾かすアテがなくなったな…」
「あれさっき風圧で乾いてませんでしたっけ」
…え?それまじ?
「なにそれお得なんだけど」
商品展開できない?殴ったら服乾くのなら…
サンドバックに服乾きますってつけて売り出せば行けるはず。
「ちょっとここから出よっか」
「え、なになに、なんですか!?ちょっ引きずらないで」
ん…?ここ誰かいない?278階層なんかに珍しいな。
「おっっらぁ!」
「えいえい!えい!えい!」
「神よ…」
あ、なんだパーティじゃん。
こんなところにいるなんて珍しいな。
「ふぅ…そろそろきつくなってきたな…」
「ディック大丈夫?」
「まぁ…でも、今日はここまでにした方がいいな」
「そうですねー…MPも減ってきましたし…回復できるのもあと2回ほどなので」
どうやら帰るらしい。
ホーリーゾンビは何も落とさなかったし私もこのまま帰るかな。
「ディック!魔石拾ってきたよ!」
いやいやこの階層でドロップするわけ…だって1時間居てもドロップ0だよ?
「おおガロン、ありがとな」
4人組が話してるのを横目に私(と魔剣)は転移陣にのり地上へと戻った。
…そして例のごとく服が乾くサンドバッグは詐欺扱いされ売れなかった。
「だって服乾くじゃん…詐欺じゃないじゃん…」
魔剣、負けるもんか! 真白 紗雪 @masiro_sayuki
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