Vtuberの企画に巻き込まれた一般人友人の話(企画内容に関わる為、当人に説明ナシ)

ヘイ

導入

 

「Vtuberって知っとる?」

「おん」

 

 そこそこの付き合いのある友人に昼を誘われた。

 そこそこのと言いはしたが、交友関係が狭く深くを極めている俺の友人は彼一人しか居ない。

 

「あんま見ないけど」

「まあ、だよなぁ」

白樺しらかばは見てんの?」

「ん、それなりに」

「へー」

 

 意外、とも思わない。

 多分、他の人がそんな事を言い出しても特に驚かない自信がある。そこまで誰かを注意して見たことがないからかもしれない。

 

「……誰かオススメの人とかいる?」

黒澤くろさわ見ないだろ?」

「んー……いや、今は特にやりたいゲームとかないし。アニメ見るにしても時間はあるから」

 

 特に興味とかはなかったが、これなら共通の話題になるかもしれない。そうすればこの時間もより楽しくなる、はずだ。

 

「で、誰かいる?」

 

 俺が聞けば「あ〜……ん〜……」と腕を組んで唸り始める。

 

「多いなら後でまとめて送ってくれ」

 

 悩むくらいなら今じゃなくても良い。それに、ほら。

 

「飯来たぞ」

 

 胸の前に組んでいた腕を解いて運ばれてきたお盆を受け取り、テーブルに置く。

 

「後で送っとくよ」

「おう、頼んだ」

「お前、言ったからには見ろよ?」

 

 俺の頼んだメニューもやってきて、それを受け取り「分かってるって。どうせ暇だしな」と返し、白樺の分も合わせて割り箸を二つ箱から取り出して手渡す。

 

「取り敢えず」

 

 いただきます、と二人両手を合わせて挨拶をしてから箸を割る。

 

 

 

・・・ 

 

 

 

 ピロン。

 

 メッセージを送信した。

 

「さて、と」

 

 配信機材の準備を進める。

 

「これは伸びるんじゃないか?」

 

 場合によってはかなり長期に渡る企画になるだろう。企画内容は簡単に。

 

「vtuberに興味なかった黒澤が、実はvtuberだった俺に気づくのか〜……って。まあ、伸びたらなんだよなぁ」

 

 俺は、伸びるだろうと期待してしまう。

 黒澤関連の話はなんだかんだで他の動画より見られてるから。

 

「こんちゃす、今日も配信始めていきまーす」

 

 伸びなきゃ、この企画は成り立たない。

 伸びなかったら……うん。アーカイブ消しとこ。

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Vtuberの企画に巻き込まれた一般人友人の話(企画内容に関わる為、当人に説明ナシ) ヘイ @Hei767

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