三分経過

 ストレッチをやめ、スマホの画面を閉じようとした瞬間、画面上部に通知が来た。


 僕の推している配信者の動画投稿通知だ。

 確認しようと通知を押すが、よく考えれば三分以上かかる。誘惑から逃げるようにアプリを閉じた。


 インスタントコーヒーの在庫確認で三分を締めくくることにした。

 在庫が意外と減っていたことを確認し、元の場所に戻す。


 わずかに、横のスティックシュガーを入れた箱に当たった。脳内に警告音が響く。


 右手が箱を押さえようと動いたが、床にスティックシュガーが散乱するのは防げない。


 愚痴をこぼしながら拾い集めている僕のポケットから、アラームの音が虚しく流れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕の完璧な三分活用法 獅子倉八鹿 @yashika-shishikura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ