謎の構えが大きい

ホラーかミステリか分からない作品は、超常的に解決するのか合理的に解決するのか両軸を保ちながら進んでいくために構造的には逆にクリアになり易いかもしれませんが、この作品は三重密室や宙に浮遊する首吊り、足音だけの亡霊など、明らかにミステリ的な構えの謎が提示されるのに、それが些末に思えるぐらい異常なことが屡々起こっていて、作品が総体として何をやろうとしているのか全然見えてこない、読者に書き手の設計図を見透かさせない異様な熱気がありました スマホがある時代とは思えない大時代的な文章や韜晦ばかりのキャラクターなどもずっと変でよかったです