人は誰しも終わりある永遠の中を生きている

永遠の時を生きる女性・エティルと彼女に魅せられた少年・ファイ。
同じ時間を重ねるうちに惹かれ合うふたりのもとに、やがて無情なる別れの時が訪れる……。

月並な感想になりますが、とても切なく情緒豊かなお話でした。
確約された幸せの破滅に怯えるエティルの内心の葛藤や苦しみが鮮明な心理描写を介して手に取るように伝わり、どんどん胸が苦しくなります。永遠を呪っていた彼女がいつしかそれを希うようになった瞬間は、何より感銘深いです。

たったの一万字弱の短いストーリーでここまで心揺さぶられたことに恐れ入りました。小説というものが秘める「明日を生きる力」が確かな手応えをもって感じられる作品です。この切なくも温かい物語を通して、ぜひともその力の片鱗を体感していただきたいです。

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