第5話 アヤ模様の日々

 どれくらい眠っていたかな。

 気がついた時、ボクは最初にアヤと会った時と同じように、病院のベッドの上で横になっていた。


「大丈夫です。車の運転手がブレーキを踏んでくれたおかげで、幸い大したケガじゃありませんでした。これならしっかり治療すれば、また元気に歩けるようになりますよ」

「ほんとう!? ミイ、よかったー!」


 アヤがポロポロ涙を流しながら、ボクを見ている。


 ボクはバカだ。

 アヤがボクのことを、好きじゃなくなるはず無いじゃないか。


 それからしばらくして、ケガが治ったボクは家に帰ったけど、もう勝手に外に出たりしない。

 あんな痛い思いをするのはゴメンだし、何よりもうアヤを泣かせたくないから。


 相変わらず、前と比べるとアヤと一緒にいられる時間は短い。

 だけどもう大丈夫。近くにいなくても、心はいつも一緒だって気づいたから。


「ミイ、ただいまー!」


 学校から帰ってきたアヤが、ボクの背中を撫でて、ボクはアミに頭をすりよせる。


「あはは。ミイってばくすぐったいよ~」


 楽しそうに笑うアヤ。

 灰色だったボクの世界を彩り豊かに変えてくれた女の子。

 ボクはそんなアミが好きだ。大好きだ。


 そんなアヤの笑顔を、もっともっと見たいから。

 これからもずっと一緒だよ、アヤ。




 アヤ模様の日々・おしまい🐾

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アヤ模様の日々🐾 無月弟(無月蒼) @mutukitukuyomi

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