第4話 会いに行きたくて
何日経っても、アヤはボクを学校に連れて行ってくれない。
学校なんてキライだ。学校なんてあるから、アヤが遊んでくれなくなったんだ。
アヤもキライだ。ボクにかまってくれないアヤなんて……ゴメン、やっぱりキライになんてなれない。
だけど離れているのは、やっぱりさみしい。
アヤは、平気なのかな?
ある日のこと。アヤのママ部屋の中を掃除していた。
サッシを開けて、空気を入れ換えて。
するとそれを見て、ボクは思った。
あそこから外に出られる。アヤに会いに行けるって。
だからボクは、外に向かって駆け出した。
「えっ? ミイ、どこに行くの!? 戻っておいでー!」
アヤのママが後ろから叫んだけど、イヤだ。ボクはアヤに会いに行く!
きっとこのままじゃ、アヤはボクからどんどん離れていっちゃう。
そんなのイヤだ!
道路に出て、少し走ったけど、アヤはどこだ?
今は夕方。ランドセルを背負ったアヤと同い年くらいの子を何人か見かけたから、アヤももうすぐ帰ってくると思うけど……。
「あれ、ミイ? どうしてこんな所にいるの!?」
聞こえてきた声に、ハッと振り向く。
アヤだ。
道路の向こうに、アヤがいる。
アヤ! アヤだ!
ボクは嬉しくなって、アヤに向かって駆け出した。
だけど……。
「ミイ、来ちゃダメー!」
えっ?
次の瞬間、ドンッていう衝撃と共に、ボクは横に飛ばされた。
倒れたボクのすぐ横には、車が止まってる。
そっか、ボクは車にはねられたんだ。
……痛い。
「ミイ! ミイ!」
アヤが泣きそうな顔をしながら、ボクの所にやってくる。
違う、ボクはアヤを泣かせたかったわけじゃない。
ゴメン。ゴメンよアヤ……。
なんだかだんだん眠くなってきて、もうアヤの顔が見えないや……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます