番外編 猫と猫ぎらい?

 こんにちは。

 今回は番外編でございます。

 番外編ですので、こちらの猫エッセイ。をお読み頂いている皆様には? かも知れません内容でございます。


 多分、猫ぎらい。または、猫が苦手な人のお話です。

 猫に何かをするといったそういうお話ではございませんので、そこはご安心ください。


 まだははではなかった、旦那さんと二人暮らしの頃の豆の話でございます。

 割と若い豆、割豆わりまめです。


 当時の割豆には、スーパーに買いものに出かけるたびに「今日は会えるだろうか」と割豆が期待をしておりました猫さんがおりました。


 スーパーまでの道には商店がいくつか点在していまして、商店の中の一店、花屋さん。


 そこに、猫さんが飼われていました。

 長毛種。白。オッドアイではないけれど、チンチラ。

 そうです、割豆の思い出の中の猫、オッドアイ、チンチラシルバーのチェリーに少し似ている猫さんでした。

 もちろん、少し似ているは割豆が勝手に考えているだけです。

 確かに、いつかすれ違えたらいいなあ、とは思っていましたが、逃げ出さず、近くに寄らずの猫さんらしい距離感。それがとても嬉しかったのでございます。

 そんなふうに、花屋さんの近くを歩いているお姿を拝見することが嬉しくて、わざとゆっくり歩いたりもしておりました。


 そんな関係の、割豆と花屋さんの猫さん。

 そして、今日もお姿を拝見できた、と嬉しくなったある晴れた日のことでした。


「お願いします、お願いします!」

 叫ぶ声。

 いったい何が、と思いましたら。


 やや遠くのほうにいたのは、ランドセルの少年でした。

「そこにいてくださいね、いてくださいよ!」

 みたいなことを叫んでいます。


 割豆に向かって叫んでいるのだな、ということを理解するまでに少し時間がかかりました。

 それにしても、なぜ、ここにいろと?


 そうして、気付きました。

 割豆からは近くないところに花屋さんの猫さんがいます。それでも、ランドセルの少年と猫さんとの距離よりは近いです。


 ……ああ!

 やっと分かりました。

 ランドセルの少年は、猫さんが怖いようです。

 歩道はこの道だけ。遠回りも嫌だったのでしょう。

 割豆を防波堤にしたかったのですね。

 どう見ても数メートルはある、ランドセルの少年と猫さんとの距離なのですが。それでも、彼には近い距離なのでしょう。


 猫アレルギー? でもなさそうです。


「いてくださいよ、いてくださいよ……なんでこんなところに」

 そんな感じで恐る恐る、猫さんと割豆のあたりを通り過ぎていくランドセルの少年。


 当時は完全家飼いという時代でもなく、猫さんとしては、自宅である花屋さんの周りをお散歩した程度の範囲です。


 なんでこんなところに、は猫さんのほうが言いたい台詞だったかも知れません。


 猫さんの姿を見かける。

 猫好きには嬉しいことなのですが、そうではない方もいる。

 こんなことがなければ想像できなかったお話でございます。

 なぜか、と言われても、多分分からないこと。

 なぜか、苦手。なぜか、嫌い。そんな感じだったのではないかなと思っております。


 そして、その当時。

 花屋さんの猫さんは、ランドセルの少年をまったく気にしていないようで、ただ静かに歩道に佇んでいました。


 それは実に、猫さんらしい姿でした。





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多分、猫エッセイ。 豆ははこ @mahako

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