この頃、あまくにさんが綴る文章がいいなあ、と思うのは私だけでしょうか。一文一文に躍動というか輝きというか、眩しさを感じるのです。もともと私がその筆力に憧れる作家さんのお一人なのですが、この頃つとに乗っているなあと思うのです。アップされる短編のどれもが胸を打ちます。そんな傑作の一つがこの作品!音楽というガソリンを注入された作家さんが綴ったSFファンタジーで悲愁と再興の物語です。心のなかにふわりと明かりが灯るような読後感が素敵なのです。元気出ますよ!
キッカケはコンサート。歌から物語が生まれ出る。きっとそれほどに、コンサートが素敵で楽しかったのでしょう。そして音楽の中に、物語の欠片が鏤められていたのだろうと思います。砂漠と、孤独と、希望と、現実と。映像が目の前に見えてくるから、読んでいるというよりは、見ている感覚。最後まで目が離せなかった。BUMPさんまで届けばいいな!!お勧めです!
砂に埋もれゆく世界のおはなしです。街も、ひとも命も、埋もれてゆく。だから、空の蒼と、砂の白しかないのです。上は、蒼。下は、白。ちいさなひとが、ちいさな命が、ぽくぽくと生きて。とおいとおい時間が、そんな命に手を伸ばしてきて。上は、無限の蒼。下は、無限の白。とおく、とおくへ。蒼と白の境界の、ずっとむこうへ。