変な夢に出てくるイケメンに迫られる〜とりあえずスキンシップの多い女子友に助けてもらいます〜

そばこ

プロローグ

私は時々変な夢を見る。

"庭園''で2人の男性とお茶会をする夢だ。


この"庭園"という場所はその名前に似合わない所だ。


綺麗な花や草が生えているわけでもなく、花壇もない。

唯一あるのは、お茶会をするためのテーブルとイスだけ。

しかも庭園の外に見えるのはメカメカしいパイプや黒い煙を惜しげもなく吐き出している煙突。

言うなれば何処までも巨大な工業地帯が広がっていた。


まぁそれだけならただ"何もない"で済ませられるのだが、この場所は"変な"場所なのである。


何故か"死体''が転がっている。


しかも豊満な体にみるからに豪華な服を纏って。

なんとも悪しゅm…お金のかかっていそうな服は死体の男が生前、有り余るほどの金を持っていたことが伺える。

そんな金を持っていたであろう人間の死体が大量に転がっているのだ。


庭園というからには、花や草、噴水などの綺麗な風景をイメージしてしまうが、ここの"庭園"はその全てが足りていないのに加えて、

普通ではお目にかかれない、おかしな景色が広がっている。


そんなことだから"変な"場所という言うしかないのである。

この"庭園"は。


そんな場所で一緒にお茶をしている2人の男性は私と随分仲がいいようだ。


少し幼いような顔立ちをしており、明るく朗らかな雰囲気を醸し出している男性と

大人びていて厳格な印象を持つが、冷徹さを感じさせないこの男性は、

時々不穏な会話をしながらも、基本的には普通の友人のように笑い合いながら随分と楽しそうに話をしている。


私は2人の会話に耳を傾けながらお茶を飲み、時々会話に加わり、話に花を咲かせていく。


そんな"庭園"で行われるお茶会はどこか懐かしさがあり、心地の良いものであった。


ここは何処なのだろう。


少しふわふわと浮ついたような心地の中で私はそんな事を考えていた。

しかし

"まぁそんなことは考えても仕方がないか"

そう思い始めた。


……少し、眠くなってきた。


「…あれ、マスターもう終わり?そんなに時間、経ったっけ?」


「"もう"って。なんならいつもより長かったぞ」


「え〜そうだっけ?」


…だんだんと体から力が抜けてきた。


「まぁ、俺も物足りないとは思うがな…仕方のない事だってある。こればっかりは我慢だな。

…おっと、流石に話しすぎたか。

そんじゃマスター、また次のお茶会で。」


「「おやすみなさい」」


"私の意識"はその言葉を合図に深い闇へと消えていった。







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