ハーツクライ
一
『ディープインパクト捉える捉える!ハーツクライ来ている!ハーツクライ、ディープインパクト、ハーツクライか、ハーツクライか、ハーツクライ先頭だ!ハーツクライ、ディープインパクト、なんと、ハーツクライだ!』
『行くぞハーツクライ!四馬身五馬身とリードを広げる、二番手争いは、コリアーヒルかフォルスタッフか。しかし関係ない!ハーツクライ逃げ切ってゴールイン!』
二
前回書いたように、ウマ娘→競馬板ときた私の競馬ブームはYouTubeに移った。最初に見たのはレース集だった。検索すれば、追い込みレース集、名実況集、ウマ娘化されたレース集等々、様々な動画があることがわかると思う。
幸い、競馬板で聞き齧った知識はあるので、レース内容は素人なりになんとなく理解できた。その中でも印象に残ったのは、カツラギエースだった。ウマ娘でも強キャラオーラ全開のシンボリルドルフ、前年の三冠馬ミスターシービー、その他数多くの海外の強豪をねじ伏せた、圧巻の逃げ切りには心が震えた。
何より、強敵に屈することなく立ち向かう姿に、憧れを抱いた。だってカッコいいでしょ?
そんな私の耳には、必然的に三冠馬キラー一族の名前が耳に入ってくる。
例えばジャスタウェイ。ゴルシの親友らしい位の認識だった彼が、歴代の中でも屈指の三冠牝馬に圧勝、その後もドバイでの伝説のレコード勝利と、日本馬初の年間世界一位。最初の印象とのギャップに心奪われた。
例えばリスグラシュー。長い雌伏の時を経て、遂に掴んだ女王の座。更なる成長止まらずに、ラスト直線310mで突き放す、圧倒的なパフォーマンス。現役最後の最強の三戦を、リアルタイムで見たかった。
例えばウインバリアシオン。金色の三冠馬に道を阻まれ続け、屈腱炎に挫けそうになりながらも、最後まで頂点を追いかける姿に、感動した。(ウマ娘三周年で発表されたときは狂喜乱舞した。)
例えばハーツクライ。G1戦線で追い込み届かず二着の繰り返し、それでも着々と伸ばした能力。そんなある時降り立った英雄に、人々は心奪われ、誰も見ちゃいなかった。それでも、だからこそハーツクライは魂の激走をした。
奇策、奇跡、偶然、十回やっても一度しかない、不調だった、そんな言葉もあった。そんな雑音はドバイの圧倒的な勝利で薄まり、欧州の舞台で当時最強クラスの二頭との激戦で消えかけ、数年後産駒が走り始めた辺りでは完全に消え去った。
素人小説家気取りはどうにも詩的な文章を背伸びして書きたがるのが困りものだ。簡潔に感じたことを一言でまとめよう。
かっけぇ。
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