朝日杯
一
そんなこんなでハーツクライとその産駒たちに魅了された時、コントレイル、グランアレグリアの引退によって新しい時代が訪れようとしていた。その中心は、当時ダービー以外全勝のエフフォーリア。
ただ、当時の私は彼にはそんなに興味が湧かなかった。(母父ハーツクライということは把握していたのだけど。)それよりも、ハーツクライの直系産駒の現役馬を応援しようと、いろいろ探した。
サリオス、ヒシイグアス、ダノンザキッド……当時のハーツクライ産駒G1馬は、正直、大物揃いとは言えなかった。(個人的にはサリオスは十分大物だと思っている。イグアスはまだ頑張ってほしいなぁ。)
そんな中でも一際輝いて見えた馬が、Androidの画面上に表示された。必死に足を回転させているように見えるピッチ走法、二歳にしては大柄な馬体、ハーツクライ産駒期待の二歳馬、ドウデュースだ。
ウマ娘でも、競馬板でも、『これまで』のことしか語られていなかった。そんな情報ばかり見ていた私が、『これから』のことに胸を躍らせるのは当然のことだった。
そんな訳で、2021年の年末に、Youtubeを開いてレース映像を見たが、今だからこそ白状しよう。別にそこまで熱狂はしなかった。
確かに勝つには勝ったが、とんでもない着差がついた訳でもなく、メンバーのレベルが高かったとは、二歳戦なので断言できない。(結果論、のちに数多くの馬がG1を勝利したため、歴代でも豪華な方の朝日杯だったと思う。)
そんな私だったが、この日からこの馬を応援することにした。何か人生のモチベーションが欲しかったからだ。ちょうどこの時期に、個人的な別れが重なったのもある。
そう、ドウデュース推しは消去法だった。
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