概要
はじめて見た時、「彼女」は桜並木の中にいた。
男を破滅へと導く魔性の女、ファム・ファタール。当時は知らなかったその言葉をはじめて聞いたのは、僕が高校生の時だ。当時、同級生の恋人がいて、文芸部だった彼女が一冊の小説をすすめてくれたのだ。フランスの古典小説で、タイトルはもう忘れてしまった。「こんな都合の良いヒロイン、物語の中にしか存在しないよ」とその子は鼻で笑っていたが、僕はその小説を読みながら、彼女の姿を思い浮かべていた。
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