人生の値段

@marude1123

出勤

もう、いい!後悔はない、目の前にある金を見て何度も自分に言い聞かせる! イヤな事ばかりだった人生、自分でケリをつけるのも自由だろう?だからー盛大に散ってやる!そんな考えは自分をワクワクさせた。それには先立つものがないと!

 目の前にあるお金、百万円とちょっと!大金だ、それを我が懐に入れる、ボク!の心はルンルンだ。

 もう、こんな大嫌いな場所に用はない!唾を吐いて職場から去る!間違ってもモーテルには泊まらないようにしないとね!などと考えながらはしゃいでいた。

 さて、ボク!は計画を立てていた。海外にはいけない! 遊べないから! ボク!には山の奥の限界集落の誰も住んでいない祖父母の家があった、ボクのアジトだ、そこに大量の食料を買って隠って最後の時間を過ごす!そこには電気も水道も通っている!!!大好きな映画も観ることが出来る。

 店でお菓子も沢山買う!高級な食材も買う!お金はまだまだ残っている、買い物を終えて、ボク!のアジトに向かう!スゴイ、山奥だ。

 やっとたどり着いたアジトを眺める!電気も水道もあったがインターネットができない、それが不満だったが!まぁいい、映画のソフトもいっぱい持ってきた。 

 その夜はお気に入りの映画を観ながら過ごした。その映画!いつもの観賞よりも楽しめた。登場人物たちが楽しそうだ!ボク!も楽しくなった。 すると何故だろう、ボク!は涙がでた。面白くて、楽しくて、出た涙ではない!その後、酒を飲んでボクは眠った。

 目が覚めたら、映画を観て流れた涙の事は忘れていた。そして、今日は何をしようかと考えた。

 日々は過ぎて食料が尽きてきた。金はまだあったので買い出しに行くことに!運転しながら前は高級な物を買いすぎたから、控えないと!考えてしまい、思わず車を止めてしまった。動揺を無理に作った笑顔で誤魔化して、また車を走らせる!

 二回目の買い出し、これで最後、全部使いきる!盗んだお金を使いきり!買った物を車にのせてアジトに帰る、帰りながらボクは泣いていた。

 そこから日々は楽しめない、食料が減っていく恐怖!食べる物が無くなればボク!は死ぬしかない!一日の食事量が減って、とうとう全部が尽きてしまった。

 金を盗んでからまだ一ヶ月も経ってない、ボク!は考えていたことをはっきりと口にする。

「死にたくない」

 そこで死にたくない自分がどうするべきか考える! まず一つ自首をする、自首をしてやり直す!・・・金を盗んだ事は悪いと思ってない、金を返したくない!

「どうしてあんな、はした金を」と後悔を口に出して言ってしまった。

 TVをつけていたからニュースが聞こえる、内容は何百億が絡む犯罪の話し、思わずボク!は吹き出してしまう、自分が人生を賭けて盗ったのは、はした金!スケールの違いに涙と笑いが沢山出た。

 ボク!はガソリンわずかの車に乗って町へやって来た。周りを見るとみんなが楽しそうで輝いていた。「勢いだ、勢い!」と言ってボクはウィスキーを万引きして高所に行き一気飲みをして飛び下りた。

 目が覚めた!ボク!は部屋にいた。

「夢だった?」と口にする、それともここは死後の世界?と思う、ボク!の中は何かが壊れてしまったみたいだ!少し考えて職場だった場所へ行こうと思った。ボク!の中は誰かが壊したのだからボクも何かを破壊したくなった。そうしてボク!は出勤?する。

 

 

 

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