2首目 ペンギン

ペンギンのわれは


脱出できぬまま


極月(ごくげつ)の夕映えを見ていた


〔解説〕

「極月」は、12月のことです。


主人公は、

ペンギンに転生したのかもしれません。

何か閉塞感のようなものを

抱えているようです。

脱出できないのは、

ペンギンの群れからか、

動物園(水族館)からか、

それとも自分自身からでしょうか。

とにかく、

時間はまたたくまに過ぎて、

今、12月の夕焼けを

しみじみと見ているのでしょう。


なお、言うまでもなく、

掲出歌は、

前衛歌人・塚本邦雄の代表作

「日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも」

の本歌取りです。



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