眠っている時は、自分の体が本当に自分でいるのか、あやふやな気分になりますが、それを発展させて、旅に出るという発想が素晴らしいと思います♪今後の創作活動に啓発できる作品だと思います♪
本作では主人公の左手だけが旅をすると言います。あまりに非日常的で、かつ、特定の心情と結びついているように見えません。どんな物語も選べそうな設定に作者が選んだ物語は優しいものでした。人には情が通うと実感できる物語です。この物語の優しさは世界の優しさ。私達の世界がかくも優しいものでありますように。
何故か、理由はわからない。きっと、理由は、大事なことじゃない。僕の左手は、僕の睡眠中、「誰かに貸し出され」ている。それは、嫌な事じゃない。どこかで誰かの役にたっているのさ。本当に不思議だ……。左腕と、僕の関係性が、魅力的。ショートの良さって、短い時間で、ふわっ、と、自分のいる世界からずれた世界へ連れていってくれる事。読書の醍醐味。それがあるショートです。面白いですよ。ぜひ、ご一読を!
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