ハーフナース&ハーフポリス

メグルハ

第1話 ミニスカポリスがミニスカナースになるっすか

私、刑部育子(おさかべ いくこ)。警察署の留置所で被疑者の面倒を見る生活をしていた。


留置所では犯罪者が自殺などの行為を行っていないか?確認したり、喧嘩していないか見張ったり、被疑者のお茶くみや、弁当を届ける仕事や本を交換したり、手紙を読んだり、ペンを差し出したり返してもらったり、おやつを届けたり、就寝時間にちゃんと寝てるか確認したり、起床時間にちゃんと起きてるか、みたり。合法的な薬をちゃんと飲んでるか確認するのも仕事だ。髭剃りも顔を洗うのも歯磨きも確認する。


毎日何かが起こるのもしょっちゅうだけど他愛のない暮らしをしていた。


男の被疑者の裸を見ることも日常茶飯事だった。お風呂の監視やトイレの監視もさせられる。しかし、90日ぐらいで被疑者はころころ変わっていくことが多かった。少年犯もいた。どんな犯罪で来たかは言えない。


ある日、そんな私の元に上司から指令が来た。やっと私も囚人の面倒以外の仕事も来たか……。どんな事件を担当させてもらえるのかなぁ。と内心期待していた。

こんな囚人の面倒を見るために警察官になった訳じゃない。やっと事件を担当させてもらえると思っていた。


しかし、上司から言われたのは、

「君、看護婦になってくれない?病院の潜入捜査が必要なんだ。フルタイム勤務じゃなくていい。シフトに週に2~3日入って、こっちでも2~3日働いてもらえればいい。」


「は?」と内心思った。口には出さなかった。


「最近、色んな病院が不正に保険料を受給しているという噂があるんだ。君には病院にしれっと派遣されて潜入ししっかり調査してほしい。看護師資格は特別に作っておいた。君は学力検査でも非常に優秀な成績だった。きっと看護師もすぐに順応することだろう。」


「言っている意味がよくわからないのですが」と寂しげに抵抗する。

「不正の取締だよ。」

「はぁ。私、看護師の経験無いんですよ。いいんですか?」

「それはこれから頑張れば看護婦ぐらいどうにかなるだろ。君は顔もいい。きっと採用される。」


かくして、週3日は警察官、週3日は看護師(仮)の日々が始まろうとしていた。

しかも、休みはまちまちで、固定休みなどどちらもないのだった。

「ダブルブッキングしないように注意しなきゃ」と思い頑張るしかなかった。

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