こんなに素敵な物語、「読みたい」を超えて「書きたい」です!

街が、鯨の上にあるんですよ。
でもその鯨の寿命が来て、街が滅びかけていて。
全員が街を出る中、少し変わり者の少女だけが、鯨の上に残ろうと決めるんです。
「鯨のそばに一人くらい居てもいいんじゃないかと思った」という理由で。
――設定、素敵すぎませんか!?

音楽では、初めて聴く曲なのに「懐かしい」と感じる現象がある、と聞いたことがあります。
私はこの物語に、そういう感覚を覚えました。
鯨の上にある街なんて初めて読んだのに、世界のどこかにそういう街があることを、昔から知っていたような。

ここまで読んで、自分もメルヘンを書く身としては、「こういう話、読みたかった」を超えて、もう「書きたい!!」と思いました。
(私がこんなことを言って失礼にならないか不安ですが…! もちろん、書けるとは思ってないです! 無謀にも憧れてしまうくらい好きな作品なんです><)
季都様は、私が目標にしている作者様のひとりです。

少女と鯨のお話に戻ります。
始まり方と同じくらい、終わり方も大好きです。
ネタバレをしたくないので、具体的なことは書かないようにしますね。
ただ私は、結末を読んで「おもしろさ保証」をいただいた気分になりました。
「この作者様は、最後までていねいに物語を紡いでくださるのだ」という安心を感じ、「他の作品も読もう!」と思いました。

どこか投げやりな少女が、最後に何を見つけるのか。
少女が鯨に寄りそったように、この物語に寄りそって、見届けてほしいです。

そして。
本当は「書きたい」も超えて「紙の本で読みたい」と思っています。
長編だけでなく、短編集の書籍化も願っています。
いつか、この素敵な物語が、私の本棚に並びますように。