レシピと食材調達


 まずは主役となる鹿肉の確保が肝要である。


 これに関して難しく考える必要はない。


 夜の山道を車で飛ばせば、奴等が人の庭や畑でゴソゴソ物色しているのが見つかるだろう。


 後は棍棒片手に静かに待っていれば良い。


 天敵の居なくなった鹿は人間を恐れない。


 仮に少し警戒を示してもじっとしてさえいれば気を許して畑の野菜に夢中になるだろう。


 そこが狙い目(´・ω・`)


 素早く脳天に棍棒を振り下ろし、心臓が動いているうちに血抜きをすれば、最上の野生肉が手に入るわけである。


 何らかの理由でこれが難しい場合は、猟師に分けてもらうのが早い。


 山道を長いアンテナを付けた軽トラで走る、オレンジの帽子、またはオレンジのベストを来た爺さんがいれば間違いなく猟師である。


 鹿はイノシシと違い、猟師に人気が無い。


 頼めば白い目で見つつも、快く分けてくれるだろう。


 女性ならば100%断れることは無いと言える。男性諸君は平身低頭お願いしよう。


 さて、鹿肉の部位だが、背ロースが最上である。


 柔らかく、筋が無く、季節によっては脂が乗り非常に美味である。


 次いで後ろ脚の腿肉が良い。


 筋肉質で噛み応えと旨味がある。


 あとは誰の家にも植わっているであろう、ニンニクとジャガイモ(保存でも良い)、サラダや彩りに適当な野菜を用意すれば、準備は完了である。


 調味料を無しにすれば、ほとんど無料で手に入るのである。


〜以下レシピ〜


①鹿の背ロース、または腿肉…500g

②ニンニクたくさん

③お好みのスパイスソルト

④オリーブオイルたっぷり

⑤バルサミコ酢…大さじ1.5

⑥醤油…大さじ1.5



【1】

肉をトリミングして筋や鬱血部位を取り除く。薄い膜なども臭みの原因になるため綺麗に取り除く。少々肉が削れてもしっかり取り除くのが美味しく食べるコツ。


【2】

肉の片面に網目状の切れ込みを入れ、スパイスソルトを両面にしっかりとまぶす。


【3】

微塵切りにしたニンニクの半量を【2】で入れた切れ込みに擦り込む。


【4】

フライパンにかなり多めのオリーブオイルを入れて火にかける。


※脂身の少ない鹿肉は、しっかりとオリーブオイルで油分を足さないと肉汁(ドリップ)が出て焦げ付きや逆にカリッと焼けない原因になる。オリーブオイルはたっぷり!


【5】

肉がジュー!!と激しく程度の低温に温まったフライパンに、鹿肉を投入する。


この時、切れ込みを入れていない面がフライパンに触れるように投入する。(写真参照)


肉を驚かせないように、徐々に火を強め、強みの中火くらいでしっかりと焼く。


※いきなり熱いフライパンに肉を入れると焦げ付きの原因になるので、肉を驚かせないように優しく!


※この時、肉を触らない!絶対に触らない!焼けてるかな?焦げてないかな?と!!触ってしまいオリーブオイルが肉の下に流れ込むとカリッとならずに蒸し焼きのようになる。カリッと旨味を閉じ込める!ただし強火で一気にはNG。焦らず、じっくり、旨味を閉じ込めるのだ!


【6】

肉汁がオリーブオイルと混ざり合い、良い音がし始め、そこからさらに我慢すると、ついに肉を裏返す。


裏面にもしっかりと焼色が付くようになるべく触らない。


※ここで肉の切込みに入ったニンニクが、肉からの蒸気で蒸し焼きになり焦げにくいのがポイント!ニンニクを焦がすと苦いので、切れ込みにしっかりニンニクを馴染ませておく!


【7】

ある程度両面に焼き色がついたら肉を端に寄せてフライパンを傾ける。


熱されたオリーブオイルを切れ目に流し込むイメージで切れ目の中にもしっかりと熱を入れる。


【8】

蓋をしてしばらく蒸し焼きにする。その後蓋を取り、残った半量のニンニクを投入し、ニンニクがこんがりと色付いたタイミングで⑤と⑥のバルサミコ酢、醤油を回し入れる。


【9】

醤油とバルサミコが沸騰して泡立つのでしばらく煮詰めて旨味を凝縮し、酢の酸味を飛ばす。箸の先などでソースの味をみて、好みの味に仕上がったら皿に盛り付けて完成。


https://kakuyomu.jp/users/mumusha/news/16818023212613492236

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貧乏でも美味い飯 深川我無@「邪祓師の腹痛さん」書籍化! @mumusha

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