女子高生なんていない
『<あなたに夢中な女子〇生>の体験版を疑似体験して頂きまして、ありがとうございます。
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「はぁ、冷めるなぁ。もう少し優しく現実世界へ戻してくれないだろうかねぇ」
自室のベッドで横になる中年男性が、ため息を吐く。
ヘルメット型のフルダイブVRデバイスを脱いで、枕元にあったタバコを手に取る。
ワンルーム四畳半の狭い部屋に、煙が蔓延する。
この中年男性は、高価なフルダイブ型VRデバイスを購入する為、衣食住とその他の趣味を犠牲にした。
節約の果てにようやくフルダイブ型VRデバイスを手に入れる事が出来たが、肝心の疑似体験ソフトを購入するだけの余裕がまだない。
その為、体験版の疑似体験をしていたところだ。
「せっかく良いところだったのになぁ。この疑似体験、いくらだろうか。
えっ、十万!? 十万もするのか!? それなら街で金払ってホテル連れ込んだ方が早いだろ!!」
ドンッ! うるせーぞ!!
「ちっ、こんな安アパート借りるんじゃなかった」
隣の住人から怒られた中年男性は、ふて寝する事にした。
タバコを消して、薄い布団に寝転んで目を閉じる。すぐに眠気が襲ってきた。
その日男性が見た夢に、女子高生は出て来なかった。
制服少女とバツイチおじさま なつのさんち @natuno3ti
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