第10話 - 神の座につくオリバー
異界の神が現れた。
異界の神は10歳だったが、神界とは異なる時間法則によって成長を早めたため、オリバーと同じ20歳の姿をしていた。
異界の神は嬉しそうな顔でにっこり笑って神に手を差し出した。
「本当に久しぶりだね。幼なじみ。」
「そうだね。いつぶりだろう。」
「お姫を助けてくれて本当にありがとう。ところで、どうして人間たちと一緒に来たの?」
オリバーは前に出て説明した。
「異界の神様。私たち兄妹がついてきたのは、私の弟ルナが神の婚約者なので、一家として助けるためです。」
「そう?」
「そして黄金カードを私が持っているから......。」
「うわぁ!オリバー。」
神はオリバーの口をすばやく塞いだ。
異界の神は怪しげな表情でオリバーと神を眺めたがこれ以上聞かなかった。
「人間界のお二人に賞をあげたいんだけど。」
異界の神がこう言うと、オリバーはルナに尋ねた。
「ルナ、どんな賞をもらいたいの?」
「いや。賞を望んでやったことじゃないんだから。私が少しでも役に立ったなら、それで十分だよ。」
神が感嘆した。
「おお!ルナ。やっぱり素敵な淑女だね。」
オリバーは言った。
「私も望むことはありません。早く家に帰りたいです。」
異界の神が笑った。
そしてオリバーの肩に手を当てて、上品な口調で話し始めた。
「異界の法に悪い目にあった淑女を救った人は、その淑女と結婚しなければならないというのがある。」
「もし淑女に正婚者がいるとしたら?」
「それでも同じだよ。不文律なんだよ。」
「もしそうなら私に姫を?」
オリバーは姫を見た。
オリバーの心は以前よりもずっとどきどきした。
姫の目には楽しい光が満ちていた。
「私もお姫様を愛しているが、不文律を破ることはできない。」
異界の神は姫の手を握ってオリバーに近づき、姫の手を渡した。
「こんなにきれいなお姫様が私の花嫁になるということですか?」
姫はにっこりと笑ったが、ルナは少し拗ねて叫んだ。
「お兄ちゃん!私よりお姫様の方がきれいなの?」
神がそっとルナのそばに来て、小さな声でささやいた。
「私はルナの方がもっときれい。」
数日後。
神はオリバーとルナに会いに降りてきた。
行動等級が完全に正常に上がったという嬉しい知らせを伝えた。
オリバーは神に尋ねた。
「異界の神は、正婚女が危険にさらされているのに、なぜ見守ってばかりいたのか?」
神は厳粛な顔をして指を口にした。
「シッ!これは秘密なのに、あいつ爬虫類アレルギーがあるんだ。」
「えっ!」
「爬虫類には身動きもできない。 かわいそうなやつ。」
「その……そうだったんだ。では、正婚女を人に奪われることを前もって知っていたんだ。」
「幼なじみの私が救われたら、その必要はなかった。君が救ったから姫を渡したんだよ。そういえば幼なじみにちょっと申し訳ないんだけど。後でいい花嫁を紹介してあげないと。」
話の続き。
オリバーと姫はついに結婚した。
オリバーはとても不思議で豪華な新婚旅行をした。
異界に行って姫の両親であるバンダーク王と王妃に会って婿として手厚いもてなしを受け、神界に行って神のお父さんにも会い、数人の若い神々とも親しい友人になった。
姫は実家である異界とこちらの世界を行き来しながら異界の文化を自然に広めておいた。
幸いなことに人々は喜んだ。
神のお父さんはオリバーに会ってから正直で誠実な彼が好きになり、神とルナの結婚に誰よりも積極的になった。
神について神界にしばらく行ってきたルナは、生まれつきの陽気さと愛嬌で義父の心を一気にとらえた。
異界の神は幼なじみの神が紹介してくれた美しい女神と結婚し、幸せな日々を送っている。
オリバーには頭の痛い問題が生じた。
友達の若い神々が分別なくやたらにかき立てた黄金カードのおかげで後始末をしてくれているから。
しかし、遠い後日オリバーは死んで天国に上がった後、数多くの善良なことが認められ神の座に上がる光栄を迎えることになる。
神々の黄金カード Whitestar @whitestar
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