第7話 せーとーぼうえー




「コソコソ...おい、あいつギルドの中で倒れたってさ。」

「えーまじ?...コソコソ」

「やばくなーい?...コソコソ」


やばい。とても居心地が悪い。


しかもなんか周りですごい噂されてるし。


とても恥ずかしい。早く家に帰ってスマホゲームをしたい。


そんな事を考えながら受付で探索者カードを貰い、皇居ダンジョンへ行こうと足を動かす。


その時__


どんッ!


な...なんだ。ハッ。そうか。俺は何かにぶつかったのか。


「グはッ...す、すみません。アセアセ」


「グフッ...くっそ、いってーなー...あ”?ガキがなんのようだよォ?」


いやあなたもガキですよね。俺と身長全然変わんないし。

それはおいといて、

やべ〜、人とぶつかっちまった。しかもぶつかった人すごいチャラい人だし。

許してくれるかな〜?


「ぶつかってすみません、非はこちら側にあるので、どうか許してくれませんか?」


こういうときは相手をすごく怖い逆らってはいけない上司に置き換えて下から目線で許しを乞う。それが鉄則だと


「あ”?ゆるすわけねえだ...ろォ!!」


「え...なんd...グㇷッ」


は?コイツ。殴ってきたぞ?そろそろ(怒るには早すぎるけど)俺怒っちゃおうかな〜!


「ハアハア。俺はなあ。お前みたいな調子乗ってる新人が嫌いなんだよォ。」


「いや。調子乗ってるような事をした覚えがないんですが。よかったら教えてもらえませんかねぇ?」


ていうかコイツさっきの一撃だけで少し息切れしてるんだが?

体力なさすぎやろコイツw

しかもこれくらいの煽りでもう頭に青筋が立ってるんだが。

耐性なさすぎやろコイツ。


「あ”?お前今なんか失礼なこと考えてただろォ?オラッ!」


ま〜た一回ごとに息切れするパンチを放ってきたが、どう動くかはお見通し。


「残念だが避けさせてもらうよ。」


「なっ?なんだと!?おれの【すーぱーあるちめっとはいぱーうるとらびっぐあろーなっくる】を避けただと!?」


フッ。こいつの技名ダサすぎだろw。思わず笑いが溢れてしまうぞ!。


「お前殴っても良いのか。ここはギルド内だぞ?」


「うるせぇ。お前みたいな愚人がァ、俺の視界に映るんじゃねェェェ!!」


理不尽だ。実に理不尽だよ。俺は今とてもお前をボコしたい気分だ。


「そうか。ならば俺は正当防衛だ。」


この見せかけのチャラ男(仮)はパンチが弱い。そして体力がない。

たぶんスキルの力を使って生きてきた人間なんだろうな。

もしスキルを使ってきたとしても...

俺にはlv5のときに手に入れた【自由自在】があるのだよ!ハンッ!

これを使えば圧縮した空間を自由自在に移動させられる。


「いけっ!【空間圧縮】【自由自在】」


俺の言葉と同時に目の前に大きな透明の壁が現れる。


「いくぜ!俺の【すーぱーァァァァ!あるちめっとォォォォ!はいぱーァァァァ!うるとらァァァァ!びっぐあろーォォォォ!なっくるゥゥゥゥ!】」


やばい。何度聞いても笑ってしまうなこの技名。


「だが、お前はもう負けているッ!」


チャラ男のなんとかナックルが俺の空間壁と名付けた圧縮した空間に炸裂する。

だがしかし、魔力を8も消費して作った俺の壁はヒビどころかかすり傷一つすらつかなかった。


「なっなんだとォォォォ!?おれの【すーぱーあるちめっとはいぱーうるとらびっぐあろーなっくる】が!?

そうか、さては貴様不正をしたな。何かのスクロールだろう!!」


「あーはいはい。そういうのいいから。大人しく捕まっていろよ。」


本気ではないが、そこらへんの新米探索者には勝てるほどのパンチを食らわす。


「ぐはぁァァァ!死んだー!!!」


な〜んでコイツはここまで弱いのかなぁ?喧嘩ふっかけてきたならせめて勝つぐらいしろよ。

いやお前が勝ったら俺が困るけどさぁ。


バタン。ガランガランガラーン。

               ⇩警察 ⇩探索者相手用のライフル

スチャッ。カチャカチャッ   ( ゚Д゚)┏┳


「警察だ!おとなしく手を上げろ!(よっしゃあああ!上手く決まった!)」


「すいませーん。犯人コイツです。」


「うるっせェ!このガキが加害者だァ!!」


「む?君が被害者かね?」




「あ、ちがいます僕が被害者です。この人にぶつかってしまったので謝ろうとしたら...ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ...」


「あー。そういうことだったんですね」


「そうなんですよ。それで...かくかくしかじか...」


「なるほど。ご協力感謝する。ついでに署についてきてもらえないだろうか。」


「あー。まあ良いですよ。じゃあ行きましょうか」


今日はダンジョンもぐれないかな?


そんなことを考えながらぽりすかーに乗る湊くんであった____




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フゴッ!フゴフゴッ

ごガァ!フゴフゴ

グゲ?フゴフゴォォ??

フゴォォォォ...

(語彙力皆無)

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底辺の空間魔法使いは諦めずに努力した結果➝強くなっちゃった☆ 荒ぶる豚キムチ @12130328

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