どんなに汚く邪な想いに支配されていようと、僕はそれを救いと思いたい。

僕は教室の黒板だ。
下校時刻を過ぎてもここにいる彼女たちを、僕はよく知っている。その境遇も、その想いも。
その上で思う。
見せかけだけでもいいじゃないか。今そこに二人でいる事がほんの泡沫であっても、足りてない互いの生が慰められるのなら。前を向く力に繋がるのなら。

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