2枚目

……………………………………………………………


いつも通りの道を歩き、いつも通りの時間に学校に到着し、そして、いつも通り友達に挨拶をし席についた。





'おはよう!'




今年、同じクラスになって話しかけてくれた友達だ。いつも通り挨拶を返すと、話の話題は、色恋の話。


あーでもない、こーでもないとか隣のクラスのサッカー部の子がどうとか言っている友達の話を聞き流しながら、適度に相槌をうっていると話の終わりの合図が鳴り響いた。




私の耳には前で話している先生の話が途切れ途切れ聞こえている。そんな話には目もくれず、横にそらせば、そこには銀の額縁の中に空を割るように描かれたひこうき雲。それはどこまでも果てしなく続いているようだった。




"…流星群みえるかな…。"




どこからか声が聞こえ、ふと振り返ると隣の席の彼と目が合った。


慌てて目をそらすと自分の心臓の音が頭でだんだん大きく鳴り響き始め、今まで聞こえていた先生の話はかき消された。


……………………………………………………………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人魚がいた海には虹がかかっているらしい 璃々 @ichigo_breakfast

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る