国を背負うは凛なる剣士

大国の思惑に翻弄される近代日本風国家を舞台とした、空想御前試合を描く歴史作品です。

この物語を語る上で欠かせないのが、地の文に込められた濃密な情報です。

現実の類似国家を作品に登場させる場合、どうしても相違点の説明には大量の文章が使われがちです。

しかし、この物語では説明一つを取っても瞬時に光景が浮かび上がる表現力がある。どうしても単調になってしまいがちの説明を、ユーモアによって華を持たせることが出来る。

タイトルのせいでギャグ色が強めの作品にも思えますが、中身は歴史小説好きが唸らざるを得ない程の複雑なヒューマンドラマに溢れています。

重厚な文章と、真面目な逸話で語られるビキニアーマー。多くの方々が満足出来る作品です。

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