和風ファンタジーな異世界にて繰り広げられる剣劇ロマン。

砂塵吹き荒ぶ宿場町に刀剣を携えた胡乱な武芸者や素浪人達が行き交い、更には乗用ドラゴンやエルフ、ドワーフたちも闊歩しているという様な、和風ファンタジーな異世界にて繰り広げられる剣劇ロマンという趣きの作品です。
記憶を失った航空隊所属の娘・イオリが、この和風ファンタジーな世界に突如として出現してしまい、薄い記憶の中にある友人との約束を叶える為、元いた世界に帰還すべく、勝利すれば自身が望む世界へ進む事が出来ると言われている「対爾核」なる決戦の場所にて「五傑」と呼ばれる強者たちに勝負を挑むというストーリーであり、その「対爾核」にて待ち受ける「五傑」を倒す為に、謎の多い武芸者・マサナに弟子入りし、剣の術理や兵法を学んで行くという――この剣の術理や兵法についての記述や考え方が非常に興味深く、ここにこの作品の妙味があると感じる次第です。
また、イオリを始めとする登場人物それぞれに「自分が通すべき筋」みたいなものがあり、その筋を踏まえた上で行動を決定し、物事を判断し、時には命を賭けて刃を振るうという、武侠モノ的な雰囲気も良い感じです。そういった「筋」を踏まえた上で行動する登場人物たちは皆、飄々としつつも存在感があり、時折挟まれるユーモアも楽しく好感が持てる次第、そんな者達が織りなす決闘絵巻、一読の価値ある物語です。
(第三話・其の六まで読んだ感想です)

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