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 あれから一年、澪の息子の大地は中学二年生になっていた。

最近学校の授業が身に入らないようで成績が落ちていく大地の事が気になっていた。

澪はママ友に相談し、そのママ友の勧めで塾に行かすことにした。

最初は乗る気でなかった大地も渋々行っているうちに勉強が分るようになって面白くなったのか顔も明るくなって、喜んで行くようになった。


 大地は中学になってから口数も少なくなって何を考えているのか分からなかったが、塾に行くようになってから、よく話をしてくれるようになった。

この塾は一人一人の生徒に専門の先生がついてくれて特に苦手な教科には個人指導もしてくれるコースもある。

大地は英語が特に苦手だったので、英語に関しては個人指導をしてもらうことにした。

その先生の教え方がいいのか大地はメキメキ英語が得意になっていった。

そして将来は英語が活かせる仕事がしたいとも言いだした。

順調に勉学に勤しむ大地に一安心の澪だった。


 更に三年が経って大地は念願の高校にも合格して高校二年生となっていた。

澪は三十六歳になっていた。

澪は子供のことが落ち着くと何故かいつも保健室に来ていた翼の事を思い出していた。


今はどうしているのだろうか?

元気でいるだろうか?

あのまっすぐな瞳はあの時のままだろうか?

まだあの約束は有効?

ふふっ、何を思ってるのかしら?バカな私、それはあり得ないわね。





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