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 そんな翼は高校三年生になった。

翼は、学年でもトップの成績を収める優等生だ。

恋愛なんかしてる場合ではない大事な時期である。


澪は翼に言った。

「保健室にはもう来ないで。青木君は今は進学するための大事な時期なのだからそちらに集中して」


「〇〇大学を目指している。将来は英語の教師になりたいと思ってる。」


「そう、素晴らしいわ。先生、陰ながら応援してるから」


「俺が前に約束したことはまだ有効だから。俺は澪が好きだ」


(何?この直球!)


「わ、私は……その気はないから忘れて!」


「俺の気持ちは変わらない。六年後に迎えに来るから」


それを境に翼は保健室には来なくなった。

澪はこれで良かったんだと思った。

今は十八歳の翼。

(ふふっ、私は三十二歳の子持ちのおばちゃん)

六年後?

翼は二十四歳。

(私は?計算する気にもならない)


澪は今まで通り養護教諭として頑張るだけだった。

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