第2話 同志軍と男


 その閃光は強烈だった。360kWというレーザー砲の前に車列は一瞬にして吹き飛び、ただの細かな鉄片となり爆散していた。友軍が放った砲だと思われたが、それは友軍ではなかった。


「あの、機体は確か我々アメリカの……いや、あのエンブレムは敵だ。しかし、別の敵のほうを倒したぞ。これは捨てる神あれば(拾う神在)ってことか?」


男の名前は米宇宙軍のリックという。こんな辺鄙な砂漠に最新型機、ヘリコプターということは近隣に基地があるはずだ。後ろからやってきたMH-60M GF 型ヘリコプターがゆっくりと降下し男の横に着陸した。軽戦闘偵察ヘリはまだ迂回して、やってくるであろう敵の攻撃機に対処するべく高度を一旦上げた。


「ようこそ、マリへ…と言っている場合ではなかったかな、米宇宙軍のパイロットよ」


「お宅らはいったい・・・取りあえず【捕虜】にでもなるんでしょかね」


リックの言葉に思いもよらない返答を返した。


「我々は元々 【同志軍】という事を知らないらしいな!私は、アーリア特殊作戦群のフィスト大佐だ。君は?」


「これは、これは!!俺は米宇宙軍のリック・パトリス大尉であります!!!」



こうしてどうにか敵の追撃を躱し、中立国の残党も回避できたようだ。


ヘリに乗せてもらい一路砂漠の特殊作戦群の基地へと到着した。


この基地は、さほど大きな施設と云う訳では無いものの辺境の基地としてはそれなりの装備、ヘリは10機以上駐機しておりしっかりとした格納庫もあった。


作戦室までの道中、色々説明を受けた。なぜ開戦に至ったのか?アーリア特殊作戦群とは何なのか?とか色々だ。


「こいつはいい、辺境基地とは思えないぜ!」


作戦室は地下にあり強固なバンカーつまり掩蔽地下壕の中に設営してあり、結構な広さと設備を有していた。設備で言えば米軍を超えるものであった。


「パトリス大尉、いかがかな。我々の施設は中々のものだろうな。このような施設を世界中に数十か所保有し、規模のもっと大きな基地も何ヵ所も保有しているのだよ。」



こいつは驚きだ。


こんな基地ではない・・・そう思えるような状況があった。


「ハーイ、私はアンナ。さっき通信官の役をしていたわ。

私たちのシステム・装備・兵員どれをとっても米軍かそれ以上のものがあるわ」



いくつもの巨大な画面が目の前にはあり優に10000インチはあるだろう。それが5面、それだけでなく様々な衛星とのリンク、宇宙軍・陸・海・空軍の表示があった。1000席近いモニタリンク要員が配置され事実上これは司令部である。



「これはすごいな、米軍と同じような統合レーダーシステム、ナビゲーションも最新鋭・・・これは、すごいな」


「大尉、我々と共に戦う意思はあるかね。我が特殊作戦群に加わるかね?」



  返事はまた次回へ……



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スペース・ハウント 宇宙の星屑 ハイド博士 @mazuki64

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