スペース・ハウント 宇宙の星屑
ハイド博士
第1話 この地上にも・・・
宇宙世紀、それは華々しく始まった。世界はテレビから流れる報道に注視していた。月面に再び降下し、アルテミス計画が本格的に始まったのだった。それから時間は流れ
(宇宙世紀 12年)
突如として跋扈した宇宙での戦闘は地上にも波及し、高出力レーザー兵器『HABaLN(ハバル)』によってまずはアメリカの首都である『ワシントンDC』が破壊され世界は戦いの時代に突入したのだった。その超兵器『HABaLN』も即時迎撃され戦線はすぐに膠着した。
「こちら、03> 戦況報告。01、02、と連絡途絶。司令部に置かれては状況を送られたい。メーデー、メーデー」
連絡手段の多くを失われた戦闘団の宇宙機は被弾し、見知らぬ砂漠に降下していた。旧式の通信機が一基生き残っており、無線通信という古臭い方法しか残されていなかった。
この砂漠はどうやら敵地ではないものの、GPSとEDAN(小型戦術電子端末)の情報によると中立軍の敷地らしい。
敵地までの距離はわずか、100㎞ほど戦闘機や攻撃機が飛べばものの数分の距離だった。
「ついてねーぜ」
そんな、ぼやいている間にも少しでも友軍地を目指して歩を進めていたが、いかんせん砂漠だ。足は砂に取られるは視界には何やら武装組織っぽい連中まで現れる始末。そんな時、司令部からやっと連絡が入った。
「こちら、HQ FV03、無事ですか。我々の統合レーダーには敵機が接近中、との報告が…待ってください、そこはリマの砂漠ですよね。我々の前線基地があります。救出部隊を編制中、それまでできるだけ基地に接近すること。いいですね!!座標を送ります。」
やっと、司令部から救援部隊がやってくる…しかし、敵機も上がってくる情報もある。陸軍の航空基地であればいいのだが…正体不明のシグネチャを発している前線基地が表示された。
「こりゃ、いったい・・・友軍にも非公開の基地かよ!まあ、ないよりは生存確率が…伸びるのか?」
こんな自問自答の中、武装組織の連中は徒歩である俺を尻目にバギーと四駆のSUV数台を引き連れその砂埃は急速に近づいていた。
「これは、これは。無理ゲーか?」
そんな時だった。
空の彼方から一筋の光線が走り、こちらに向かってくる車列に強烈な一撃を加えた。
「よっしゃ、よくやった宇宙軍か特殊作戦群かは知らんがな!!」
そして、基地の方向からは一機のヘリコプターの姿が… インビィクタスBS11 SPだ。この機体にはレーザー砲が装備され、ミサイルも数発、そして、ロケット弾が十数発、機関砲があり、ステルス性の高い軽戦闘偵察機となっている。その後ろからMH-60M GF という特殊戦機が続いてやってきた。
「やった、友軍のアメリカぐ……」
そこまで言った時、独特なエンブレムに気づいた。
「こいつは、友軍じゃねー 敵じゃーねーか!!」
これは、これから始まる本格的な戦いの一部でしかなかった。
次話に続く・・・
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